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水道民営化法案がまたしても強行成立! 池上彰、石原良純も水道を市場原理に委ねる危険性を指摘

 いつもは自民党の政策に擁護的な発言の多い良純にしてはめずらしいが、これはその通りとしか言いようがない。たしかに、老朽化した水道を改装するのに自治体は多大なコストを要するが、運営を民間に委ねたからといってコスト問題が解決するわけではない。当然、予想されるのは水道料金の値上げ、そして、コスト削減による安全性への不安だ。逆に言えば、民間会社である以上、絶対に利益を上げねばならない。その分のしわ寄せは必ず消費者にやってくる。たとえば、採算が取れない過疎地などの水道は、市場原理としてサービスが低下していく恐れがある。

 政府は、水道事業の運営者を決めるのは自治体であり、値上げには所有者である自治体の決定が必要としたことで、料金高騰に歯止めをかけているような説明をしているが、まやかしだ。実際、番組のなかで池上も解説していたように、過去の国鉄からJRヘの民営化では、当初、赤字の路線であっても維持する方針が決められていたにもかかわらず、2000年の鉄道事業法改正で、事業者による赤字路線の廃止が可能になった。池上はこう締めくくっていた。

「結果、採算のとれない地方の路線が次々に廃線になっていった。となると、そこに暮らしている人はどうなるんだ、というわけで。今回、水道事業に関しても『民営化されて大丈夫ですよ』と言われても、ふと気がつくと、こういうことになりかねない」

 料金高騰や水質悪化、赤字地域のサービス低下など、水道民営化後に予想される弊害は何をもたらすか。命に直結する問題であることはもちろん、これらは生活の格差をさらに助長するだろう。本サイトでも記事化してきたように、政権幹部と水メジャーとの癒着も取りざたされている。民間企業の経営者はどんな手を使ってでも利益を上げようとするが、それが公共の福祉として循環することはない。

 いずれにしても、割りを食うのはわたしたち市民だ。こんな法案を通した政府・与党は、結局、目先のカネのことしか考えておらず、そのためなら生活者の健康や命などどうなっても構わない。それがこの政権の本音だ。

最終更新:2018.12.06 07:24

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