加えて、桜井氏らレイシストは徴用工問題で日韓関係が悪化し嫌韓ムードが高じるなか、さらに嫌韓感情を扇動することを狙ったのは明らかだ。まんまと狙い通り、焚きつけられたネトウヨの差別感情の発露に屈してしまったテレビ朝日と『Mステ』は浅はかとしか言いようがない。
また、今回の『Mステ』出演中止を受けて、「これで紅白はなくなったな」などとする声もあるが、いつまで宗主国根性なのかともはや笑うしない。BTSはほぼ100%『紅白歌合戦』には出演しないと思うが、それは先に述べてきた通り、現在のBTSのポップカルチャーにおける立ち位置を考えれば、日本の一テレビ番組が出演させるとかさせないとかいうレベルにないことは明らかだ。
ところで、話は少し変わるが、今回の出来事は「政治問題によってミュージシャンが音楽番組から排除される」という、まさしく「音楽」に「政治」がもち込まれた事件である。昨今の日本では、安倍政権批判をしたミュージシャンに対して、決まって「音楽に政治をもち込むな」という号令が巻き起こるが、なぜ今回はそういった声が起こらないのだろうか。不思議なものである。
それはともかく、BTSを話題の中心に置きながら、排外主義を煽り立てる人が激増しているいまだからこそ、確認しておきたいことがある。
それは、K-POPは人々の分断を煽る道具ではないということだ。
BTSはもちろん、BLACKPINKも、EXOも、TWICEも、NCT 127も、Red Velvetも、iKONも、IZ*ONEも、SEVENTEENも、LOONAも、その音楽によってファン同士の連帯を促してはいても、分断させようとする活動などしていない。
ここ最近のK-POPのグループは韓国人だけでなく多国籍で構成されているグループも多い。上記のなかでも、TWICE、IZ*ONE、NCT 127には日本人のメンバーも所属している。さまざまなルーツを背景にひとつのグループに集まったメンバー同士が、お互いに言葉や文化を学び合いながら団結を深めていく様子を見るのも、ファンにとっての楽しみのひとつとなっている。