また、2016年5月には、東京都・小金井市の女子大生が男に首や胸など20カ所以上を刃物で刺される事件で、犯人の男の名前が「自称」と報道されたことについて、〈なぜ本名で報道しない?ここが日本のメディアのおかしいところ。臆する必要はない。本名で報道すべき。これは私の憶測だが、容疑者は日本国籍ではないと思われる〉とツイート。無根拠に“容疑者は日本人ではなく在日外国人だ”と示唆して在日コリアンへのヘイトを煽った。
そして、「ニコニコ動画」での「韓国ネタ」をまとめたという著書『笑えるほどたちが悪い韓国の話』(ビジネス社/2014年)では、〈韓国は、ほとんど病気と言っていい状態〉と述べて「朴李病」「ウリジナル病」「告げ口病」などと罵倒。その嫌韓ヘイトと表裏一体なのがお手盛りの“日本スゴイ論”で、たとえば『日本はなぜ世界で一番人気があるのか』(PHP研究所/2011年)では皇室と結びつけながら、ひたすら“日本と日本人はスゴイ!”なる差別的優越感を吹聴してきた。
他にも、〈国旗国歌が嫌いなら、とっとと日本から出ていけ!〉(2011年1月29日)、〈韓国が慰安婦の像を作るなら、日本は、嘘をつく老婆の像でも作ったらどうだ?口をとがらせてまくしたて、片手には札束を握りしめて、ゆすりたかりをしている感じで〉(2014年2月4日)、〈戦前、外地には職業の一つとしての「売春婦」はいましたが、日本軍が強制的に連行して奴隷にしたという、いわゆる「慰安婦」はいませんでした〉(2018年11月6日)などとツイートするなど、頭が痛くなる言説は枚挙にいとまがない。
さらに竹田といえば、そのトンデモなヘイト発言等もさることながら、過去には週刊誌で“マルチ商法関与”疑惑や、「皇室」ブランドを利用した“霊感商法”まがいのアコギな商売を追及されるなど、地金がどんどん暴かれてきた。
ところが、前述したように、竹田はいまでも前述の『委員会』をはじめ、『バイキング』(フジテレビ)や『ゴゴスマ〜GO GO!Smile!〜』(CBC)などのメジャーなテレビ番組に出演し、なぜか「文化人」扱いを受け続けている。メディアも同罪としか言いようがないが、こうした状況になっているのは、竹田恒泰という人物のゲスさに、一般人の感覚が麻痺してしまっている部分もあるのではないか。
その意味では、今回の慰安婦像をめぐる〈鼻クソの刑を執行〉〈握りっ屁の刑を執行〉なるツイートも、竹田自身、もはや何をやっても許されるとタカをくくっているのだろう。いや逆に、意図してゲスさを過剰にしていくことで、そうした“ビジネス”を延命させていると見るべきだ。
結果、竹田に感化されたネトウヨが増長し、いま以上のヘイトクライムを招いてしまう恐れがある。ひとりのゲスな人間による、辟易必至の話題として消費してはならない。いつまでも野放しにしてよいのか。もう一度、まじめに考えるべきだ。
(宮島みつや)
最終更新:2018.11.09 11:04