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サンド伊達「ブルジョア障害者は差別用語じゃない」はなぜ間違っているのか? 「新しいレイシズム」は差別じゃないフリを装う

フジテレビ『バイキング』10月30日放送分より

 10月30日放送『バイキング』(フジテレビ)にて、さいたま市議会における「ブルジョア障害者」発言を扱った際、坂上忍と伊達みきお(サンドウィッチマン)の間でなされたやり取りが話題を呼んでいる。

「ブルジョア障害者」は、10月19日に障害者の医療費助成に所得制限をかける条例改正案について話し合われた本会議の席で、吉田一郎市議から傳田ひろみ市議に向けてかけられた言葉。

 傳田市議は足の障害で車椅子を使用しているが、吉田市議は傳田市議を示しながら「障害で働けない。収入が少ない。だから医療費を安くしましょう。タダにしましょう。これはわかります。でも障害者でもですね、なかにはうち(さいたま市議会)にもいますけど、年収1354万5000円の車イスに乗った障害者がいるわけですよ。こういった高収入のブルジョア障害者の方は負担していただいても構わないわけですよ」と発言したのだ。ちなみに、傳田市議は今回議論された所得制限の条例改正案に賛成している。

 この許しがたい発言の問題について、司会の坂上忍から話を振られた伊達みきおはこのように答えた。

「これ、“ブルジョア”っていうのは“裕福な”とかそういう意味なんですよね? 誰がこれを聞いて怒ってるのかな? とちょっと思って。全然差別的な用語ではないような気がするんですけどね。差別的な用語ではないですよね?」

 これに対し、スタジオは凍りつく。坂上は「ん?」「VTR見ましたよね? 言い方も含めて」と返した後、「ブルジョアという単語自体は悪い言葉ではないですけれども、ブルジョアと障害者という言葉をくっつけて、ブルジョアをも揶揄したようなニュアンスで、とても不適切なワードだと僕は思いますけれども」と主張。

 坂上の反応を受けた伊達はすっかり萎縮してしまい、そのまま会話から引っ込んでしまった。

 これに対し、ネット上では「また坂上忍が圧力で議論を踏みつぶした」との声が殺到した。ネトウヨと親和性の高いJ-CASTニュースをはじめとする、この件を取り上げたネットニュースも、坂上の司会ぶりを非難して、伊達を擁護する論調が多く、実際、ツイッターを見ると、こんな意見が投稿されている。

〈伊達は間違ってないって言いたい〉
〈「ブルジョア障害者」という言葉自体に差別感は全然感じない どこが差別用語なん?〉
〈差別って騒いでる方が差別してるんでは〉

 いまさら言うまでもないが、「ブルジョア」という言葉は、単にお金をもっている人というだけでなく、「贅沢」「働きもせず搾取している」といった侮蔑・批判のニュアンスを込めて使われるケースが多い。

 吉田市議は「高所得の意味でブルジョアという言葉を使ったが、気を悪くしたなら申し訳ない」(2018年10 月24日付朝日新聞デジタル)と話しているが、苦しい言い訳だろう。

 またそもそも、これが「金持ち障害者」や「セレブ障害者」という言い方であったとしても、問題があることに変わりはない。

 傳田市議は今回の問題について「議員報酬は同額なのに、なぜ私だけブルジョアなのか。ブルジョアと言われたことに対して不快な思いをしたのではない。その言葉の根底にある彼の意識について問いたい」と、吉田市議の発言そのものでなく、発言の背景にある意識のほうを厳しく批判している。

 もらっている報酬は同じなのに、吉田市議が「ブルジョア」という言葉を使ったのは、その背景に、「“障害者なのに”、裕福であったり、地位や名誉を得ているのはおかしい」という障害者を下に見る意識があるからだろう。

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