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百田尚樹が「安倍総理が名誉毀損裁判で噂の真相を廃刊に追い込んだ」とデマ…ならば公開しよう、安倍vs噂真裁判の全容

 実は、本サイトで編集人を務めている川端幹人は、「噂の真相」元副編集長で、安倍に訴えられた記事も担当していたが、「百田の言っていることはまったくの事実無根」と断言する。

「安倍が『噂の真相』を訴えたのは、2003年1月。でも、『噂の真相』はそのかなり前、90年代に休刊することが決まっていた。それに、安倍との裁判はすごくいい戦いをしていて、勝てる可能性だってあった。なんで『噂の真相』があの裁判が原因で廃刊に追い込まれなきゃいけないのか。意味がわからない。村本が名誉毀損なら、百田の言ってることのほうが『噂の真相』に対する名誉毀損でしょう(笑)」

「噂の真相」が安倍から訴えられる前に、休刊を決めていたことは、物証もある。編集長の岡留安則が1990年代からさまざまなメディアのインタビューで語っている上、「噂の真相」の誌面でも1999年4月号や同年3月に発行された別冊で「4年後に休刊にする」ことがはっきり書かれているのだ。

「休刊を決めたのは、センスや権力と闘うエネルギーのあるうちに身を引くという岡留の美学。当初は、2000年に休刊する予定だったのが、1994年に東京地検特捜部に刑事の名誉毀損で起訴されたため、対抗言論の場が必要ということで、逆に裁判のめどがつく2004年まで休刊を伸ばした。半年前から表紙でカウントダウンをするというのも、かなり前から決めてましたよ」(川端)

 少なくとも、「噂の真相」は安倍が訴えた4年も前に、休刊を表明していた。にもかかわらず、百田はこんなデタラメを得意げに語ったのである。しかし、川端は、このデマは、百田の問題というより、百田に嘘を吹き込んだ安倍の代理人である「辣腕弁護士先生」の問題、さらには安倍首相の体質が背景にあると指摘する。

「実はあの裁判で、安倍は判決を待たずに損害賠償金ゼロの条件で和解に応じているんです。休刊に追い込んだどころか、自分たちも裁判が長引くのを避けて和解に応じた。なのに、弁護士がこういうデタラメを言うとは……。普通なら信じられないが、この点については百田は嘘をついていないと思う。本当にそう聞いたんでしょう。というのも、安倍サイドは、裁判をやっていたときからこうした姿勢を見せていたからです」

 いったいどういう意味か。せっかく百田センセイが話題を作ってくれたので、この機会に、安倍サイドの言動なども含め、「噂の真相」vs安倍晋三裁判で何が起きたのかを検証してみたい。まずは、川端の保管していた裁判記録を参照しながら、概要を解説しよう。

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