現に、豪雨の真っ只中に「赤坂自民亭」に参加したり、大規模な被害が十分に予想された7月6日の夜に公邸で無派閥議員らと極秘の会合を開くなど、安倍首相は災害対応よりも総裁選運動に熱を入れてきた。
なかでも呆気にとられたのは、7月30日午後と31日に突然取った休暇だ。首相周辺は「体調が悪いわけではない。つかの間の休息だ」と説明したというが、病気でもないのに、定例の閣議までをも中止して休みにしてしまったのだ。
しかも、このときも安倍首相は総裁選のための準備をおこなっていた。31日には、東京・富ヶ谷の私邸で北村滋内閣情報官と面会しているのだが、既報の通りhttps://lite-ra.com/2018/08/post-4162.html。安倍首相は総裁選に向け、政府の情報機関・内閣情報室に対立候補の石破茂・元幹事長の言動や情報を収集させるなどの“監視”をさせており、この日もその報告を私邸で受けたのだろう。さらに同日は、夕方から麻生太郎財務相とも私邸で会食。これもまた総裁選の情勢分析の意見交換をしたと見られている。
その後、8月に入ると、その動きは激化し、ほとんど毎日のように自民党の地方議員らとの面会を繰り返して、1日のうち何件も自民党議員との懇談をセット。それは広島と長崎での原爆犠牲者を追悼する式典に出席した6日・9日の両日も同じで、帰京すると自民党埼玉県連の議員らとの面会や、森元総理を筆頭にした同じ町村派(清和政策研究会)や細田派の面々と会食している。
国会会期中でさえ豪雨対応よりも総裁選運動を優先させてきたのだから、閉会中のいまはなおさら、総裁選のためにならない議論に時間を使う気など、あるわけがない。本サイトでは、政府機関の内調を総裁選のために私兵化したり、国の基盤である憲法改正さえ総裁選に利用しようとする姿勢に批判をおこなってきたが、安倍首相は同時に、被災者支援をもなおざりにしているということを忘れてはいけない。
(編集部)
最終更新:2018.08.17 07:49