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酷暑対策でサマータイムの愚! 過重労働、健康被害、システム障害…デメリットだらけなのに五輪無罪でゴリ押し

 今回の東京オリンピックをめぐっては、あまりにも横暴なやり方が横行し過ぎている。玉川氏のあげた共謀罪もそうだが、死者も出ている新国立競技場建設での過重労働、劣悪な条件でのボランティア募集、大学や高等専門学校に対してボランティア参加のため試験時期をずらすよう文科省とスポーツ庁が通知を出した件、東京都オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部のスタッフが大会期間中は混雑防止のためにネット通販を控えるように提言した話など、「国家総動員」「オリンピックのために自己犠牲しない人間は非国民」とでも言いたげな施策が次々と出されている。

 サマータイムの導入もそのひとつと言っていいだろう。なぜ、たかだか数週間の運動会のために、日本に住む人々全員がこんな負担を強いられなければならないのか。暑さ対策のためなら、ここまで犠牲を払ってさほど効果のないサマータイムを導入するより、オリンピックを2カ月後ろ倒しすればいい話だ。

 そもそも、この時期の日本は酷暑だということを知りながら、〈この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である〉(「立候補ファイル(日本語版)」より)などと言ってオリンピックを招致したのは誰か。

 また、サマータイム導入にあたっては、もともとは恒久的な導入ではなく、2019年と20年の2年間のみの限定導入になるというが、前述したようなシステム変更のコストに見合わないとの指摘を受けて、恒久的なサマータイムの導入に舵を切り始めているとの報道もある。森氏は〈五輪のためにやるということではなく、日本政府が地球環境保護に取り組むという観点で進めてほしい〉(8月8日付ニュースサイト「スポーツ報知」より)と述べているが、そもそも、湿度が高く夜も暑い日本の気候ではサマータイムを導入しても冷房などの使用料は変わらないため省エネにはつながらないと長きにわたって指摘され続けている。

 また、批判を受けてすぐさま限定的な運用から恒久的な運用に切り替えたというのは、要するに、たいして深く考えていなかったということだろう。こんなのはあまりにも杜撰過ぎる。日本に住む人々は政治家のオモチャではないし、オリンピック組織委員会の奴隷でもない。

 こんなかたちでしか開催できないオリンピックならば、即刻返上するべきだろう。

最終更新:2018.08.08 06:16

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