こうした姿勢をみれば、稲田議員がただの改憲論者というレベルではないことがよくわかるだろう。ネトウヨや日本会議などと同じく、頭のなかが「戦前礼賛」一色になっているカルトそのものなのだ。そして、カルト宗教の教祖や信者が現実社会での人々の生活を「悪魔」とか「サタン」「地獄に落ちる」などと指弾するように、稲田議員は自分が「カルト」だから、世界の多くの国で採用されているごく普通の民主主義の考え方が「新興宗教」「毒」に映るのである。
じつは、このカルト性は、LGBT差別発言をした杉田議員もまったく同じだ。杉田議員もまた、現行憲法を徹底攻撃し、国民主権や基本的人権、生活権を否定する発言を連発してきた。その挙げ句に出てきたのが、明らかな憲法13条違反である今回のLGBT差別発言だった。
そういう意味では、稲田議員も杉田議員もまったく同じ穴の狢だ。だからこそ、立法、国政が尊重すべき個人の尊重や国民の幸福追求権を無視し、マイノリティ、社会的弱者の生きる価値を否定する、憲法違反である言動を平気で口にすることができる──。
こんなカルト政治家が国政の場に進出しているということ自体に戦慄をおぼえるが、しかし、忘れてはならないのが、冒頭で記したように、この二人をスカウトしたのが、他でもない安倍首相だということだ。
本サイトでは、かねてより、杉田議員の「LGBTは生産性がない」発言は、安倍首相の本音の代弁でしかないと指摘してきたが、稲田議員の「憲法教という新興宗教」「毒」発言も同じこと。安倍自民党をこのままのさばらせるということは、国民主権と基本的人権の保障という民主主義の根幹を危機に晒すことにほかならない。
(編集部)
最終更新:2018.07.31 07:04