だが、『ひるおび!』の「赤坂自民亭」擁護はこれで終わらなかった。“安倍政権御用コメンテーター”のあだ名がすっかり板についた八代英輝弁護士は、「僕、昨日自衛隊の方々と懇親会をしていて」と切り出し、こんな話をし始めた。
「自衛隊の方々のほうからこの話題を振られて、その時に実は知らなかったんですけど、見せてもらってこの(宴会の)写真も。で、みなさんどう感じますかっていう話になったんですけども、やっぱり災害派遣の命令を下すのが防衛大臣の役目ですよね。で、災害派遣命令が下ってから、自衛隊のみなさんが準備を始めるんではなくて、災害派遣要請が自治体から出そうな時ときは先回りして、だいぶ前に準備しているんですね。当然、要請が出たらすぐ出られるような体制でスタンバイしているときに、大臣がこういうような会合、宴席に出られているというのは、ちょっとざわついた、ザラザラした気持ちになりますね、という微妙な表現をされていました」
自衛隊員から見れば、一刻でも早く命令を受けて救助に向かいたいのに、命令を下す大臣が酒を飲んでうつつを抜かしていたのだから、現場は不満がたまるのは容易に想像がつく。
だが、驚いたのはこの話自体ではない。当然、自衛隊の生の声を紹介した八代弁護士は、続けて、政府の初動の遅さを批判するものだと思って聞いていたら、全然そんなことはなく、逆にこんなふうに話を展開したのである。
「で、僕も思うんですけど、宴席を開いて参加することとですね、喜んでそれをSNSにアップするということはまた次元の違うことでして。政治家がですね、お酒飲んで楽しそうにしている姿を見て微笑ましく思うのは、いまの時代、支援者と支持者だけですよ。ですから、何か起こりそうな時期でしたよ、当然この(5日)木曜日というのは。このタイミングで、やはり、SNSっていうものを活用してそれを世の中にアピールする、もっというと取材陣にこんな宴会をやりますよ公開して取材をしてもらう。それを誰かがやはり『このタイミングはちょっと(SNSや取材を)やめたほうがいいんじゃないですかね』って言える人がいなかったっていうのが悔やまれますね」
「悔やまれますね」って、八代弁護士は何に対してそう言ってるのか。ようは、八代弁護士は、災害の対応に当たらねばならないときに政府幹部が宴会を開いたことそのものではなく、その模様をSNSにアップしたことに苦言を呈しているのだ。逆に言えば「SNSにあげなかったら批判されなかったはずだ」という話で、つまり、宴会をしたことがまずいのではなく、それを自民党自らがバラしたことがまずい、と言いたいらしい。繰り返すがどれだけ政権目線なのか。唖然とするほかない。