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安倍首相が震災対応せず参院決算委員会を強行し全閣僚出席! 森友加計追及を鈍らせるため震災を利用する卑劣

 しかも、きょう決算委員会を開けば、安倍首相にはもうひとつ利点があった。「こんなときでも野党はモリカケをやっている」という野党への反感を盛り上げることができるからだ。

 そして、この作戦は冒頭で指摘したように、すでに効果が表れている。実際は自民党が委員会開催を押し切ったにもかかわらず、SNS上には〈野盗5盗の馬鹿どもは大阪地震とは無関係で相も変わらずモリカケをやるつもりなんだろうか?〉〈野党正気か? ただのクレーマーだー〉〈うわー 参議院決算委員会 首相への質疑で 野党がモリカケやってるのだが…〉という批判コメントが投稿されている。

「被災者の救助・救命に全力をあげる」と言いながら、決算委員会を開かせ、モリカケ追及によって野党批判を喚起させる──。これを震災の政治利用と言わずして、何と言おうか。

 だいたい安倍首相は、2016年に起こった熊本地震のときも「官邸での地震対応に集中したい」などとして4月16日の視察を取りやめた一方で、週明けには国会でのTPP審議を強引に進めようとした。一方で、地震発生翌日から蒲島郁夫県知事が「激甚災害の早期指定」を求めていたにもかかわらず、安倍首相はこれを1週間以上無視。地震発生から9日も経ってからようやく現地視察をおこなったが、そのタイミングは自民党不利の事前調査が出ていた北海道での衆院補選の前日。しかも、現地視察と同時に激甚災害指定を表明するというパフォーマンスをおこなったのだ。

 その上、支援物資の輸送のために、安全性が不安視されているオスプレイを投入。自衛隊は輸送ヘリを数多く所有しているのに、それを出し惜しみしてわざわざオスプレイを投入したのは、オスプレイを売り込みたい米軍との密約と、自衛隊のオスプレイ佐賀空港配備のための地ならしという意図があった。

 また、2015年の関東・東北豪雨の際も、極右ネットテレビ「言論テレビ」の番組に生出演。櫻井よしこと日本会議の会長・田久保忠衛に囲まれ、「歴史的使命を完うする覚悟と戦略」を語ったこともある。洪水によって孤立し、救助を待つ人びとや不明者も多数報告される最中に、である。

 災害対応に真剣に取り組むこともなく、政治的に利用できるときは徹底的に利用する──。安倍自民党は「大規模災害に対応する」という目的で、憲法改正で緊急事態条項の新設を目論んでいるが、これも災害対応を名目にして内閣に権限を集中させようというものだ。この総理に、このまま災害対応・安全対策を任せていていいのか、国民は真剣に考えるべきだろう。

最終更新:2018.06.18 11:22

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