6月2日、街頭演説をする花角氏(撮影・横田一)
世界最大級の原発・東京電力「柏崎刈羽原発」再稼動が大きな争点になっている新潟県知事選で、女性差別問題がクローズアップされている。5月31日、魚沼市で開かれた自公が推す花角英世候補(前海上保安庁次長)の街頭演説。地元の商工会長が花角氏の隣でこう訴えたのだ。
「花角さん、経験もの凄く豊かです。副知事時代から商工会をすごく応援をしてくれています。新潟県には女性の知事は必要がない。経験豊かな花角さん、一つ、よろしくお願いしまして応援にさせていただきます」
しかし6月2日、新潟市内での街宣を終えた花角氏を直撃し問題発言について聞くと「よく覚えていない」という驚くべき回答が返ってきた。隣で聞いていたはずなのに、加計問題の官邸訪問の記憶をなくした柳瀬唯夫・元首相秘書官と同様の記憶喪失状態と言っていい。
そこで「父親の出馬を知ってベトナムから駆けつけた」という花角氏の娘にも同日の新潟市内の街宣で声をかけると、簡潔明瞭な答えが返ってきた。
——「女性知事は新潟にいらない」という発言が出ましたが。
娘さん そうですね。発言は知っています。本人からではなく、商工会の方からですが、よくなかったと思います。
——謝罪、訂正した方がいいのではないか。
娘さん そうですね。ちょっと方法は考えさせていただきます。ありがとうございます。
その場にいた“味方”であるはずの娘ですら、この差別発言を聞いたと認めているのだ。にもかかわらず元高級官僚の父親はその事実さえ認めなかった。