また、ご存知の通り、今回の「Teacher Teacher」のように秋元氏の女性蔑視的な歌詞が問題となったのは初めてではない。それどころか、たて続けに起きている。
〈月曜日の朝、スカートを切られた/通学電車の誰かにやられたんだろう/どこかの暗闇でストレス溜め込んで憂さ晴らしか/私は悲鳴なんか上げない〉と歌わせ、痴漢や障害に対し助けを求めたり抵抗するための「悲鳴」をあげることを否定的に描き、痴漢被害者への想像力の欠如を浮き彫りにした、欅坂46「月曜日の朝、スカートを切られた」。
フェミニズムのアイコンとしてたびたび用いられるアメコミヒーロー・ワンダーウーマンが主人公の映画『ワンダーウーマン』の日本版イメージソングに〈女はいつだって一人じゃ眠れない/恋が邪魔をしているよ/どうする? 感情が動いて眠れない/胸のどこかが叫んでる寂しくなんかないないない誰かといたい〉との歌詞を提供し大きな批判を浴びた、乃木坂46「女は一人じゃ眠れない」。
〈難しいことは何も考えない 頭からっぽでいい 二足歩行が楽だし ふわり軽く風船みたいに生きたいんだ〉〈女の子は可愛くなきゃね 学生時代はおバカでいい〉〈世の中のジョーシキ 何も知らなくてもメイク上手ならいい ニュースなんか興味ないし たいていのこと誰かに助けてもらえばいい〉と、「女はバカでも愛嬌があればOK」とでも言わんばかりの、女性蔑視の幕の内弁当のような歌詞が大炎上した、HKT48「アインシュタインよりディアナ・アグロン」。
このように、ここ数年だけでも秋元氏の歌詞における女性蔑視は頻繁に問題となっている。しかし、秋元氏の脳内の辞書に「反省」の二文字はないのであろう。
それは、前述「アインシュタインよりディアナ・アグロン」の批判に対する秋元氏側の対応によく表れている。
「アインシュタインよりディアナ・アグロン」は、女性蔑視まるだしの歌詞に批判が殺到。本サイトも含め多くのメディアが批判的に取り上げたのだが、ここから驚くべき事態が起こる。
なんと、彼の女性蔑視的な視線を批評した本サイトの記事に対して、AKB48の運営会社であるAKSの法務部が「名誉毀損及び侮辱罪が成立する」「即刻、記事を削除せよ」というメールを送ってきたのだ。本サイトの記事はあくまで作品に対する批評であり侮辱でもなんでもなく、本サイトがその旨を記事で表明すると、その後、運営側は沈黙したが、批評さえ恫喝で黙らせようとする態度を見る限り、秋元氏およびそのスタッフに批判を真摯に受け止める姿勢は感じられない。
今回「Teacher Teacher」で初めてのセンターを務めた小栗の所属するTeam 8は、東京都が運営するパラスポーツ応援プロジェクト「TEAM BEYOND」の一員として活動している。もちろん、その先の展開として、2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据えているのだと思われる。一方でこんな楽曲を歌わせながら、オリンピックにかかわらせようとしているとは、その無神経ぶりには呆れるほかはない。
(編集部)
最終更新:2018.04.17 11:49