だが、笑えたのはその後のやりとりだ。太田理財局長は、2回目の質問でようやく青山センセイの意図が読めたらしく、「委員のおっしゃりたいことはよくわかりました。ようすれば、ある意味での不当な働きかけがあって、それで(改ざんした)、ということではないというふうには理解していると思います」と答弁。ところが、青山センセイはなぜか苛立って、「理財局長におかれては、はっきり言って勝手に解釈しないでほしいんですが。だから問題ないと言ってるんではなくて」と逆ギレ。またぞろ得意のキレ芸で“青山劇場”を展開したのである。
「健全な常識で考えたら、今回の事件も根っこにあるのは、ある意味なんでもない、そういう国会軽視! つまり騒がない国会! 燃えない国会! 淡々と終わればいいんだと! それはしかし正常な議論じゃないんですよ!それは!」
「国会審議というのは利害関係のためにやるんじゃなくて! 国益のためにとことん話し合うことをいうわけですから!」
いったい、青山センセイは何にキレているのか。解説しておくと、“財務省は国会での議論紛糾を避けるために文書を書き換えた。原因はその事なかれ主義だ”とのシナリオを描き、「それは正常な国会の議論じゃない!」とカッコつけているのだが、これぞ「よく言うわ」って感じである。
というのも、青山センセイは昨年、森友問題が勃発したときの国会期間中には、『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)で「暗黒国会だ!」と憤慨。こう大げさにブチギレていたからだ。
「この番組ですでに(森友問題は『問題』じゃなくて)『事件』だと言った通り、この理事長なり校長なりがですね、明らかにおかしなことやってるじゃないですか!(中略)これもう事実関係はっきりしてるじゃないですか! だからこれ『事件』であって、当然国会じゃなくて捜査機関がやることであって!!」
「これだけは言っておかなきゃいけないのは、北朝鮮が!(中略)世界はトランプさんの出現によっていままでの秩序がガラガラと音を立てて崩れていくさなかに! 日本の国会はこればっかり! なんですよ! 連休終わってもまだ! これ『暗黒』でなくってなんなんですか!!」
ようはこの人、“国会で森友問題やるな!”とがなりたてていたのに、いまになって“議論しないのは正常な国会じゃない!”などとエラソーに言っているのだ。まったくその言葉、ご自身に向けられてはいかがだろう。
ちなみに、青山センセイは、もともと塚本幼稚園でも講演経験があり、籠池泰典理事長の熱烈な応援団だった。2011年には「日本文化チャンネル桜」で「大阪の塚本幼稚園。ここはまったくのフェアな愛国心を育てている幼稚園として推薦できます!」「塚本幼稚園、塚本幼稚園園長、がんばってくださいね!」と大々的にエールを送っていたのだ。ところが、問題発覚以降は「この森友学園という学校法人、僕はこの事件ではじめて聞いたんですけど」(『虎ノ門ニュース』)などと白々しさ満載の態度を披露するなど、手のひらを返してきたという経緯がある。そういう意味では、青山センセイの矛盾だらけの態度はいまに始まったことではない。
まあ、話を戻して、結局、青山センセイが集中審議でやったことといえば、安倍首相に水を向けて「決裁文書の書き換えについて、私はまったく指示してません」「決裁文書は存在自体知らない」などと答弁させたぐらい。まったく、こんな質問に長い時間を割くなんて、国民をバカにしているとしか言いようがないではないか。