ところが古市クンは、“「いいね!」はいいねという意味じゃない”とごり押することで昭恵夫人を徹底擁護しただけでなく、あろうことかこんな珍理論を語り始めたのだった。
「だからそれをやたらこうやって騒ぐのはちょっとどうかなって思ってしまっていて。もちろん文書書き換えは大問題だとは思うんですけども、このFacebookの『いいね!』一件だけで逆に野党は騒いじゃうと、自民党を逆に利するようなことになっちゃうんじゃないかなってことも思っちゃいますけどね」
「これまでも(昭恵夫人のFBが)問題になってますけど、だから今回の『いいね!』っていうのを過剰になんか反応しちゃうと、大事なその国会の時間をどうでもいいことに費やしちゃうんじゃないかなってのはどうしても思っちゃいますけどね」
さらに、他の出演者から昭恵夫人の無神経な「いいね!」が度々問題視されてきたことを指摘されると、「どこまで攻めたところで、安倍昭恵さんが不用意かもしれないってことにしか落ち着かない問題」と言って片付けようとする古市氏。いくら昭恵夫人と仲がいいからって、あまりにも露骨すぎる。
というか、古市クンは“「いいね!」問題で騒ぐと自民党を利する”なんて言っているが、騙されていけない。中立な立場で物事を俯瞰しているようなポーズをみせながら政権を擁護する。古市クンが得意とする小賢しいやり口だ。
実際、野党をけん制しながら、まさに昭恵夫人その人が問題の中心なのに「大事なその国会の時間をどうでもいいことに費やしちゃうんじゃないか」と言うのは、ほとんど森友問題を国会で追及するなと婉曲的に言っているに等しいではないか。
もっと言えば、そもそも昭恵夫人の「いいね!」問題は「どうでもいいこと」ではないし、「不用意かもしれないってことにしか落ち着かない問題」でもない。
周知の通り、昭恵夫人は昨年の問題発覚以降、いまだに会見すら開いていない。そんななか、「野党のバカげた質問ばかりで、旦那さんは毎日大変ですね」というコメントに昭恵夫人が「いいね!」した事実は、メディアで報じられて然るべきだし、それが人々から批判されるのも当然だ。それを「不用意かもしれないってことにしか落ち着かない」とテレビで言ってみせることが、なにより古市クンが安倍政権側からこの件を見ていることの証左だろう。