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羽生結弦選手の国民栄誉賞にマツコ・デラックスが「安倍さんのスポーツの政治利用は度を過ぎてる」と批判

羽生結弦選手が平昌五輪で金メダルを獲った後、本サイトは「これから、安倍政権による露骨な政治利用が始まるのではないか」と指摘したが、その危惧はまんまとあたってしまったようだ。

 3月2日、読売新聞朝安倍政権が一面トップで「政府が羽生結弦選手に国民栄誉賞を授与する方針を固めた」と打ったのだ。

 たしかに、平昌五輪閉幕前から羽生選手に国民栄誉賞が授与されるのではないか、という観測は広がっていた。しかし、一方では、羽生選手だけに国民栄誉賞を授与する根拠がまったく見当たらないとの意見も根強かった。平昌五輪では、スピードスケートの高木菜那選手が二つの金メダルを獲得するなどの活躍が続出しているし、連覇についても、オリンピック2連覇を成し遂げたアスリートは他にもいる。これまで、オリンピック選手で国民栄誉賞を受賞したのは、3連覇の吉田沙保里選手、4連覇の伊調馨選手だけ。3連覇した柔道の野村忠宏選手ですら受賞していない。

 また、歴代の28受賞者のうち実に6人が安倍政権下での受賞と突出していることから“乱発”“賞の安売り”との批判があることや、さらに羽生選手や小平奈緒選手が金メダルを獲得した直後に安倍首相が“電話で祝福”パフォーマンスをやったことが“人気取り”と批判を浴びていたこともあり、官邸を取材するマスコミのあいだでは「国民栄誉賞を授与するとしても、何か明確な根拠を示さなければならない。さすがにすぐ、というような露骨なことはやらないだろう」というのが一般的な見方だった。

 実際、菅義偉官房長官も2月26日の会見で「五輪も終わったばかり。今すぐではなく、さまざまな要素を考えていく必要がある」と慎重姿勢を見せていた。

 ところが、それからわずか数日後、羽生選手への国民栄誉賞授与の事実上決定され、それが報道されてしまったのだ。しかも、読売新聞の記事には「政府関係者が1日、明らかにした」とあり、明らかに官邸のリークで記事をつくったことがうかがえた。

 いったい何があったのか。実は、読売が一面トップで「羽生選手に国民栄誉賞授与」と大々的に報道した同じ日、朝日新聞が同じく一面トップで、財務省が「森友文書 書き換えの疑い 財務省、問題発覚後か 交渉経緯など複数箇所」というスクープを報じていた。

 こうしたことから、官邸周辺では、新たな不正の発覚から目をそらすために、安倍政権が慌てて羽生選手の国民栄誉賞授与を決め、御用新聞の読売に書かせたのではないか、という見方がささやかれている。

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