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安倍首相が朝日新聞めぐる答弁で「NHKに圧力と捏造された」と大嘘! 裁判で明らかになった安倍の圧力発言

 まず、簡単に経緯を振り返ると、2001年にNHKが放送した日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷を取り上げたETV特集『問われる戦時性暴力』に対し、内閣官房副長官だった安倍氏と自民党の中川昭一衆院議員(故人)のふたりが放送直前に政治的な圧力をかけ、その結果、番組が改変されたと2005年1月に朝日が報じたもの。当時、安倍氏は各局の番組に出演しては圧力をかけたという事実の否定と朝日批判を繰り返し、自民党は朝日への選挙広告の出稿もストップ。当初は強気な姿勢だった朝日も、同年9月に取材が不十分だったとする記者会見を開くにいたった。

 だが、朝日が弱腰になっただけで、安倍氏が番組に圧力をかけたことは事実だ。現に、同番組の取材を受けた市民団体が NHKを訴えた裁判の控訴審判決では、裁判長が「制作に携わる者の方針を離れて、国会議員などの発言を必要以上に重く受け止め、その意図を忖度し、当たり障りのないよう番組を改変した」と指摘。さらに判決理由の要旨では「安倍氏は、いわゆる従軍慰安婦問題について持論を展開した後、NHKが求められている公正中立の立場で報道すべきではないかと指摘した」とされている。

 判決では安倍氏らの圧力を「認めるに足りる証拠はない」としたが、官房副長官直々の「公平中立に報道しろ」という言葉は圧力そのもの、政治家による番組介入であり、恫喝にほかならない。

 しかも、朝日は安倍氏らが圧力をかけたことを裏付ける証言を番組放送時のNHK放送総局長から得ており、録音テープも残されていた。その中身についてはジャーナリストの魚住明氏が「月刊現代」(講談社)で公表もしており、そこで放送総局長は安倍・中川両氏との面談の仔細な状況を語り、「脅しとは思った」「圧力とは感じる」と述べている。

 そして、放送総局長は、朝日記者の取材に対し、安倍氏との面会時のようすを、こう証言しているのだ。

「先生はなかなか頭がいい。抽象的な言い方で人を攻めてきて、いやな奴だなあと思った要素があった。ストレートに言わない要素が一方であった。「勘ぐれ、お前」みたいな言い方をした部分もある」

「勘ぐれ」──。安倍首相が恫喝のために吐いたこの一言は、いわば「忖度しろ」と言っているのと同じだ。加計学園問題における「総理のご意向」という言葉が思い返されるようだが、安倍首相はこうやって昔から、直接的な指示ではなく「勘ぐれ」というような直接的ではない脅し文句によって、圧力をかけたり忖度を引き出してきたのではないのか。

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