しかも、この安倍首相の言動は、あきらかに「森友・加計は朝日の捏造だ」という陰謀論を書き連ねた小川榮太郎氏を“バックアップ”するものだ。
朝日新聞社は小川氏に対して訂正を求める申入書を送ったが、小川氏はまともな回答をおこなわず、朝日は提訴に踏み切った。本サイトは日頃から、政治家や公党、大企業などがメディアや言論機関に対して名誉毀損等の訴訟を起こすことを強く批判してきたし、言論機関が自らへの批判を訴訟で恫喝することはそれこそ「報道の自由の自殺行為」に等しいと考えている。だが、今回は別だ。ここで徹底して闘い、「朝日のでっち上げ」などというのはたんなる妄言、陰謀論でしかないことをはっきりさせなければ、安倍応援団の目的である“森友・加計疑惑潰し”を看過してしまうことになるからだ。
だが、こうした小川氏の陰謀論を、安倍首相はわざわざFacebookで展開することで掩護射撃。実際、この安倍首相の〈哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳。予想通りでした〉というコメントを投稿していた一件を取り上げた産経メディアのzakzakは、〈(安倍首相は)怒りを通り越して、あきれているようだった〉と書いて記事を締めている。まるで朝日の記事は誤報であり、謝罪するのが当然かのような論調ではないか。
こうした知性や品性のカケラもないネトウヨそのもののやり口で、疑惑を葬ろうとする──これがいま、日本の総理大臣が力を入れていることなのである。もう、地獄としか言いようがないだろう。
(編集部)
最終更新:2018.02.11 12:13