夫婦別姓問題について、安倍首相は下野時代、こんなことを言っていたのだ。
「夫婦別姓は家族の解体を意味します。家族の解体が最終目標であって、家族から解放されなければ人間として自由になれないという、左翼的かつ共産主義のドグマ(教義)。これは日教組が教育現場で実行していることです」(ワック「WiLL」2010年7月号)
さらに、民主党政権がはじめた子ども手当については、こう糾弾している。
「民主党が目指しているのは財政を破綻させることだけではなく、子育てを家族から奪い取り、国家や社会が行う子育ての国家化、社会化です。これは、実際にポル・ポトやスターリンが行おうとしたことです」(「WiLL」2010年7月号)
「夫婦別姓は共産主義のドグマ」「子ども手当はポル・ポトやスターリンの政策と一緒」……。この陰謀脳は、杉田議員のそれとまったく同じではないか。こうした発言から考えても、待機児童問題を安倍首相が杉田議員と同様に「家族を崩壊させるコミンテルンの陰謀」と捉えていても何ら不思議はないだろう。
もちろん、安倍首相が杉田議員に惚れ込んだのは、歴史修正の旗振り役、憎悪の煽動家としての部分が大きいはずだ。たとえば、杉田氏は河添恵子との対談本『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)のなかで、慰安婦像について「慰安婦像を何個立ててもそこが爆発されるとなったら、もうそれ以上、建てようと思わない。立つたびに一つひとつ爆破すればいい」などと言い、“爆破テロ”を煽っている。杉田議員の暴言は挙げ出せばキリがないが、このような杉田議員の言動がネトウヨに大きな支持を集め、憎悪を掻き立てている現状は、安倍首相にとって「ありがたい存在」であることは間違いない。
ともかく、「待機児童なんていない」などという主張を許しているのが安倍首相だということは、広く伝えられなければならないだろう。
(編集部)
最終更新:2018.01.28 10:07