茂木事務所の関係者の証言によると、その線香の値段は1000〜1500円。茂木本人が配るのは「規模の小さくない企業の社長とか日頃から大きなサポートを受けている方や、そのご両親が亡くなった時に限って」。「それ以外の親しい人」については秘書が対応していたという。
さらに同誌は栃木5区の有権者に取材をし、「新盆に秘書が線香を持ってきたか?」と質問している。すると、あっさりと「はい。はい。覚えています」と回答。別の有権者も「お線香だったか、かもしんねえ」「箱に入ってたね、幾つかね。6つだか5つだか、折箱みたいなんに入ってた」と答えているのだ。
前述したように、選挙区内の有権者に有価物を配る行為は公選法違反にあたる。事実、冒頭でも記したように、線香を選挙区で配ったことが公選法違反と認められ、小野寺防衛相は議員辞職しているのだ。
それは小野寺議員が当選2年目の1999年に発覚した。同年、新盆だった選挙区内の有権者宅約500件に名前入りの線香セット(約1000円相当)を配った公選法違反の疑いで、小野寺議員と7人の秘書が同年12月24日に書類送検された。小野寺議員は翌2000年1月6日には辞職を表明し、同月21日には仙台地検は公民権停止の期間を3年などとする略式起訴が相当と判断した。
当時のことを、小野寺防衛相は以下のように語っている。
「お線香を持参してお供えすることが公職選挙法の「寄付行為」に当たるとして、警察から任意で事情を聴かれることになりました。検察等の話を聞く中で「これは明確に違反だな」と思いましたので、自ら議員辞職をいたしました」(2014年6月「10MTVオピニオン」)