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横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」26

伊方原発差止直前、テロの危険性を無視した規制委員会の会見が! 泉田前知事も「原発の稼働を停止すべき」と明言せず

 実際、原子力規制委員会の更田豊志委員長は12月6日、筆者の質問に対して「原発テロ対策は十分」と回答、対策強化の必要性を否定した。

————今、アメリカでは原発を兵士150人が守って訓練しているにもかかわらず、日本では警察と民間警備会社が守っていて、「こんな国は日本しかない」と石破(茂)元防衛大臣も問題視している、この原発テロ対策が不十分な現状についてどう考えているのか。(中略)北朝鮮の脅威にさらされて不審船も漂着する中で、稼働中の原発停止と再稼働先送りをすべきではないか。

更田委員長 米国の例をとって兵士が(原発を)警備をされていると。私たちは兵士を持っていません。ですから、米国は米国で原子炉の規制以外の枠組みでもって国家の危機に耐える仕組みを持っている。

————(原発を)自衛隊員では守れないということなのか。

更田委員長 あくまで国会での議論があるのであれば、それは結構なことだと思います。

————「原発テロ対策が不十分」という現状認識を持っているのか。

更田委員長 テロ対策は十分だと思っている。セキュリティ対策として十分な手当てをしている。

 伊方原発差止仮処分で問題になった火山のリスクと同様、原子力規制委員会は原発へのミサイル攻撃やテロ対策においても楽観的な現状認識をしているとしか言いようがない。

 また北朝鮮の原発攻撃時における稼動の有無による被害の違いについても更田委員長に聞いたが、「仮定が多すぎて答えられない」「今後、試算する考えもない」と回答した。

 職務怠慢とはこのことだ。河合氏が裁判やシンポで主張するように、原発攻撃を受けた際に稼動している方が桁違いの被害が想定されるのであれば、「北朝鮮の脅威が問題ないレベルになるまで原発の稼動停止と再稼動先送りをする」との結論に至る。その試算をしようとさえしない規制委員会は、原発事故から国民の生命と安全を守る責務を放棄しているとしか言いようがないのだ。

 そんな規制委員会を「世界最高水準の審査基準」と褒め称えて事足りる安倍首相もまた、未曾有の放射能汚染を招く「国賊」「疫病神」と後ろ指を指されても仕方ないだろう。

最終更新:2017.12.28 11:57

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