当然、ネット上でもネトウヨ系まとめサイトやデマサイトがこぞってこの事故を取り上げ“事故は捏造”だと拡散。百田尚樹は12日放送の『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)で、「どうも調べていくと、これ全部嘘やったっちゅうことです」「どうもこれは全部捏造やったちゅう疑いがほぼ間違いないと言われて」と断言した。しかし、百田は「調べた」と言うその中身は、米軍の主張とネトウヨの言い分だけの代物でしかなかった。
だが、保育園に落下した同時刻には、沖縄県が設置している静止画のカメラにCH53とみられる画像と、騒音測定局では2度の衝撃音が記録されており、沖縄県の大浜浩志・環境部長も「(米軍機の)落下物の可能性があると認識している」と答えているのである。
だいたい、これまで米軍は、不都合な事故や事件を隠蔽してきた「前科」だらけだ。にもかかわらず、なぜ米軍の主張だけを鵜呑みにするのか。むしろ、「調査」したいのであれば、まずは日本側がきっちり調査・捜査できるよう、不平等な日米地位協定の見直しを主張すべきではないのか。
いや、そもそも、保育園や小学校、民家の上空を米軍機が飛行している現実こそがおかしいのであって、沖縄をこのような危険に晒しているのは「本土」が基地を押し付けていることの結果だ。
しかも、日米地位協定は沖縄だけの問題ではない。危険機種であるオスプレイは日本全国を飛び回っている状態で、現に「女性自身」(光文社)2017年9月19日号では、米軍資料に記されたオスプレイの低空飛行ルートと市民団体がまとめた飛行目撃情報などを合わせた「オスプレイ飛行マップ」を作成。それによると、〈少なくとも196市町村の上空をオスプレイが飛んでいる〉ことが判明している。
空から米軍機や部品が振って落ちてくるという恐怖と、日本政府は何もできない・しないという理不尽。沖縄の現実は、わたしたちの現実なのである。
(編集部)
最終更新:2017.12.14 07:04