「現在、安倍政権は電波オークションの導入を、既得権益を守りたいテレビ局への恫喝材料にして報道圧力に使っているが、オークションを導入すれば安倍政権には利権がひとつ増えるメリットもある。オークションによって審査の透明性が確保されるといわれますが、どこまでオープンにする気があるかはわからず、政権の意向が反映される可能性もある。そうなれば、電通としてもこれまで以上に政権と強い繋がりをもっておきたい。とくに電波オークション導入に前のめりの菅官房長官と桜井氏は関係が深いですからね」(全国紙記者)
安倍政権の思惑と利権に群がろうとする電通──。だが、桜井氏の人事が与える影響はこれだけにとどまらない。それは、息子・櫻井翔のメディアタブーが強まるということだ。
そもそも櫻井翔が所属する嵐は、ジャニーズ事務所のなかで実権を握るメリー喜多川氏の娘である藤島ジュリー景子氏が統括しており、ジャニーズ内でもっとも優遇されているグループ。テレビのキャスティングにも力が入れられ、他方、スキャンダルは徹底して潰されてきた。そのなかでも“ミスター総務省”と呼ばれた父をもつ櫻井翔は特別だった。
「嵐がauのCMに起用されたのはKDDIによる櫻井パパへの露骨なゴマすりだと言われたこともあるように、ジャニーズにとってもありがたい存在。かつ、そうした櫻井のエリートのイメージを最大限利用して『NEWS ZERO』(日本テレビ)のキャスターにも押し上げることができた。その上、お父さんが電通の執行役員となれば、テレビはもちろん週刊誌もますます下手なことは書けなくなるでしょうね」(週刊誌記者)
しかも、現在は「タレントキャスター」に過ぎないものの、今後、櫻井がさらに政治的な仕事や発言を強めていく可能性は高い。そのとき、父の威光によってメディアが櫻井に物申すことが難しくなれば、それこそ櫻井は絶対的な存在となるだろう。
桜井氏の電通への天下りが政界と芸能界に与える影響は、かなり大きいものとなりそうだ。
(編集部)
最終更新:2018.02.26 12:52