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日馬富士暴行事件が白鵬・モンゴル力士バッシングへ! 相撲ファンとメディアを蝕む日本礼賛とヘイト

「週刊新潮」(新潮社)も同様だ。暴行の原因は、貴ノ岩が「俺はナイラ(=モンゴル語で八百長のこと)はやらない」「俺は人に知られて恥ずかしいことは何もない」と大声で言っていたのが、モンゴル力士たちの耳に入ったことだと指摘。「白鵬 灰色の十番勝負」と称して、白鵬の取り組みの八百長を検証する記事まで掲載した。

 ようするに、文春も新潮も、事件の背景には、モンゴル力士による八百長があり、白鵬をそうした組織的なモンゴル八百長の黒幕だと糾弾したのである。また、一方で、貴乃花や現在日本人唯一の横綱である稀勢の里を何度も「ガチンコ力士」とほめたたえているのも両誌に共通している。

 こうした週刊誌報道にひきずられるかたちで、テレビでも、同様の論調が垣間見えるようになった。貴乃花と絶縁状態にある母親の藤田紀子氏が11月22日放送の『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)で、「モンゴル会が同郷の人が慰め合う楽しい食事会ならいいですけど、度が過ぎると、いろんなことが入ってくる。(貴乃花)親方は土俵の充実、勝負は真剣じゃないといけないという生き方」などと語り、モンゴル八百長説を示唆。

 また、23日放送の『バイキング』(フジテレビ)でも、その藤田氏の「暴行だけでなくもっと深い問題がある」と思わせぶりな発言を受け、MC坂上忍がドヤ顔で、「貴乃花親方はガチンコでやってきた方ですよね!」と発言。すると、藤田氏は「はい、そうです。(今回の事件は)その逆の言葉だとおっしゃった方もいました。私がそれを言ったら大問題になるから言いませんが」と八百長説をほのめかし、また24日の同番組では「私がいちばん問題視しているのは白鵬さん」と、やはり白鵬黒幕説を示唆した。

 そして、こうした報道を受け、ネットではあたかも、モンゴル勢が八百長していることが既定事実のように、一人歩きを始める。「モンゴルは組織的に八百長している」「モンゴル互助会に大相撲がなめられている」「モンゴル八百長連合vsガチンコ貴乃花の戦い」などの発言が飛び交い、「貴ノ岩が八百長を断ったため、腹いせに白鵬の指示のもと集団リンチされた」というようなストーリーが跋扈しているのだ。

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