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どこが丁寧な説明? 安倍首相が国会で“森友・加計は朝日新聞の捏造”のネトウヨ陰謀論に丸乗りして疑惑封じ

 加計学園疑惑の話をしているのに、唐突に飛び出す籠池氏の名前と朝日バッシング、さらには「ファクト」という言葉……。しかし、この朝日攻撃こそがフェイク、明らかな詐術だ。

 昨日の記事でも言及したが、今回、公開された設置趣意書にはたしかに「開成小学校」と書かれているが、設置趣意書は複数あるのではないかと見られているのだ。事実、情報公開請求をおこなっていた上脇博之・神戸学院大学教授もツイッターで〈開示された文書は全部不開示に近かった文書と比べると微妙に異なっていました〉〈小学校設置趣意書は複数あるようなので再度情報公開請求しておきました〉と述べている。ようするに、「安倍晋三記念小学校」と書かれた設置趣意書が存在する可能性はまだあるのだ。

 いや、もし「安倍晋三記念小学校」と書かれた設置趣旨書がなかったとしても、だからどうしたという話だ。実際、昭恵夫人は2015年9月に塚本幼稚園での講演会のなかで、こんなふうに語っていた。

「こちら(森友学園)の教育方針はたいへん主人も素晴らしいというふうに思っていて、(籠池)先生からは『安倍晋三記念小學院』という名前にしたいというふうに当初は言っていただいてたんですけど、主人が(略)『もし名前を付けていただけるのであれば、総理大臣を辞めてからにしていただきたい』ということで」

 つまり、安倍首相は自身の名前を冠した小学校がつくられることにはまんざらでもない様子だったのである。そうした事実をなかったことにして、「朝日のフェイクニュースによって籠池氏との深い関係を疑われた」というように攻撃したところで、安倍首相の疑惑が晴れるわけではまったくない。国民が「森友が贔屓された理由」として考えているのは、小学校名などではなく、名誉校長に就いていた昭恵夫人と籠池夫妻の深すぎる関係を示す数々の証拠があるからだ。

 にもかかわらず、安倍首相は鬼の首をとったように、安倍晋三記念小学校の一件を持ち出して「ファクトが根本から違っている、ファクトでない」などとわめきたてたのである。
 
 言っておくが、今井議員が質問していたのは「今治市職員や加計関係者の官邸面談」についてだ。そもそも質問のなかで「下村議員と面会した」などとは今井議員は一言も言っていないし、「安倍首相が面会したのでは」とも訊いていない。はからずも安倍首相が「面会なんてあり得ない」と明言した「市の課長」が、国会議員でさえおいそれとは入れない官邸に急遽招かれていることに疑義を呈しているのに、話を森友問題における朝日新聞の瑣末な報道にすり替え、挙げ句、勝手に質問を盛って「ファクト」などという言葉を使って攻撃した。

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