何度も再質問をしたのは他でもない。共同代表選(11月10日投開票)を玉木氏と戦った大串博志・元民進党政調会長が、両院議員総会後の囲み取材で、騙し討ちのような代表交代に疑問を呈していたからだ。
「『異議あり』と唱えることが出来ないような流れでした。小池代表から『玉木さんを推挙します』という一言で、『皆さん、よろしいですか』と決めてしまうのは非常に透明感に欠くやり方ではないか。手続きには違和感、唐突感を覚えました」「両院議員総会が党にとって最高の意思決定機関であり、その中でも代表を決めるのは極めて重い決断だと思います。やはり発言権を持つ全国会議員が事前に知らされて、誰が立候補するのかしないのかも十分に考える時間的な余裕を持った上で、進めるのが組織としては普通ではないか」(大串氏)
今回の代表交代は、親小池人事案と玉木氏への代表禅譲が交換条件(裏取引)とする密室談義の産物としか見えない。希望の党は意思決定プロセスが極めて不透明な“独裁的ブラックボックス政党”と呼びたくなるのだ。
しかも出自(誕生の経緯)からしてウサン臭かった。民進解体・希望合流も、小池・代表(当時)と前原誠司・民進党代表(当時)の9月26日深夜の“密室談義”(神津里季生・連合会長も同席)が発端。そして前原氏が28日に民進前議員に「排除されない」という虚偽(嘘)の説明をした翌日(29日)に小池氏が「排除します」と断言、憲法改正と安保法制などの“踏み絵”(政策協定書)を踏ませたことで、「緑のたぬき」「女ヒトラー」のような詐欺的独裁党首率いる“第二自民党”という実態がバレて希望惨敗となったのは明らかだった。
しかし玉木氏は共同代表就任会見で、「希望惨敗は『排除』発言と無関係で、各候補の努力不足」と総選挙を総括し、小池氏を免責していた。この発言についても聞いてみた。
——「排除」発言を含めた総選挙の総括で、(玉木氏は)「(立候補した)個々人の責任」とおっしゃいましたが、やはり「排除」発言、小池代表のイメージダウンの影響は大きいのではないか。改めて(総選挙の)総括・検証をしないのか。
玉木氏 総選挙の総括については、いずれにしてもやる必要があるなと。支持率が低いということもありますので、なぜ低いのかを含めて冷静な真摯な分析が必要だと思っていますので、選挙の分析もしていきたいと思っています。
総選挙(10月22日投開票)から1カ月が経とうとしているのに、希望の党はいまだ「排除」発言の影響を含む総選挙の総括に着手していない状態のようなのだ。「“安倍政権倒す倒す詐欺”で民進党前議員を騙した小池・前原両代表(当時)の責任を曖昧にしようとしている」と見られても仕方がないだろう。
安保法制や共謀罪やカジノ法案などで安倍政権に同調した「維新」に対する立場についても聞いてみた。「排除」発言と並ぶ小池氏の総選挙でのミスは、維新との選挙協力(住み分け)である。維新と同じような「政権補完勢力(第二自民党)」という実態が露呈したからだ。そこで、「脱・小池路線の試金石になる」と思って今後の維新との関係についても質問したのだ。
——(総選挙で)維新と選挙協力をしましたが、維新は加計問題の審議で安倍政権擁護、(足立康史衆院議員が野党議員らに対して)「犯罪者発言」をするなどとても野党と見なせない存在だと思うが、維新と選挙協力をした是非と、「今後は選挙や国会運営で維新と協力しない」という“決別宣言”をするのか。
玉木代表 維新との関係については、国会の中でどのような関係を築いていくのかということについては、これは維新に限らず政策次第、中身次第ということになるので、何か事前に協力するしないということを決める話ではないと思っています。野党の時間を確保することについても、もし維新が平場で同じような考えをお持ちであれば、そういったことについては野党が一丸となって対応していければと思っていますが、いずれにしても維新に限らず他党との関係は政策や中身次第ということになろうかと思います。