これをもってマスコミは「円満独立」と報じだが、しかし、その内実は独立などとは程遠いものだった。
というのも、安室のこのライジングからの独立を仲介したのは、バーニングの周防郁雄社長だったと言われているからだ。周防社長といえば、平社長の後ろ盾であり「盟友の中の盟友」とまで言われる昵懇の仲だ。また、昨年発覚した三代目J Soul Brothersのレコード大賞1億円買収疑惑問題でもクローズアップされたように、エイベックスもまたバーニングとは深い関係にある。
「周防社長が引退したがっている安室を説得して、独立という落とし所を用意したようです。ただ、表向きは独立させておいて、実際はその利益をバーニンググループが吸い上げるような構造は温存された。そのひとつがエイベックスとの関係です。もともと安室は、ライジングからの独立騒動の際にエイベックスとの契約も解消しようと考えていたようだったのですが、エイベックスがプライベートレーベルのDimension Pointを立ち上げるというかたちでつなぎとめた」(芸能関係者)
ライジングからの独立後、平社長はマスコミの取材に対し、「移籍料などの条件は一切なかった」などと語っているが、ようするに「同じ籠の中の鳥」状態が続いていたのだ。
そう考えると、今回の引退は、その利権構造と完全に決別するための行動だったのではないだろうか。
今月8日に発売されたベストアルバム『Finally』は現時点で150万枚近く売り上げる大ヒットを記録しているが、実はこの作品はベストアルバムとしていささか特殊な構造をもっている。
『Finally』には、SUPER MONKEY’Sとしてのデビュー曲「ミスターU.S.A.」から最新シングル「Just You and I」までのなかから年代ごとに45曲が選ばれているのだが、そのうち39曲が新たにレコーディングし直されているのだ。