小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

日馬富士暴行事件でマスコミが展開する貴乃花バッシングは矛盾だらけ! 背後に相撲協会のリーク

 たしかに、貴乃花親方がこの問題を大きくしたのはまちがいない。事件をスクープしたスポーツニッポンは、貴乃花親方が評論家を務めており、関係が深いことで知られている。理事長選のときなども貴乃花親方寄りの立場をとっていた。今回のスクープも貴乃花親方からのリークではないかとの見方もある。リークではないにしても貴乃花親方から証言をとっていると見られている。

 しかしその意図が、まことしやかに語られているような来年3月に行われる理事選をにらんだ謀略というのは、辻褄が合わない。というのも日馬富士の親方である伊勢ヶ濱親方は前回の理事長選で貴乃花親方に投票し、その報復として閑職に左遷されるなど、八角理事長よりも貴乃花親方派のほうに近いとされる。もし理事長選をにらんでのことなら、むしろ内々に済ませて恩を売るというほうが自然だろう。

 他の批判も同様だ。たとえば、スポーツ紙やテレビが声をそろえて糾弾している「先に警察に被害届を出し、相撲協会への報告をしなかったのはおかしい」という批判も、むしろ警察やメディアにオープンにするほうが健全だろう。

 今回の事件は、巡業中の力士同士の間のトラブルとはいえ、相撲の取り組みや稽古のなかで、暴力なのか指導なのか境界が見極めづらい事例ですらない。たまたま力士同士だったというだけで、飲み会の場での純然たる暴行だ。そう考えれば、警察に届けても何もおかしくない。

 警察やメディアではなく相撲協会に言えというのは、相撲の世界の内輪の都合であって、ようは「隠蔽しろ」「内々に済ませろ」と言っているのと同じではないか。

 場所中に騒ぎを起こしたなどと貴乃花を非難しているが、それもおかしい。そもそも場所中というのは相撲協会の都合でしかないし、場所中がどうしてもイヤなら、協会は警察から連絡のあった2日の時点で事件があったことは把握していたのだから、ふたりの親方だけでなく当事者や同席者たちにも場所前にさっさとヒアリングなどの調査をし自ら公表していればよかったではないか。

「貴乃花親方からは事態を収拾する気が見られない」もそうで、「事態を収拾」というのは、大事にしないで事件を矮小化、なかったことにして済ませたいということ。まるで相撲協会の本音を代弁しているようではないか。

 いや、これは比喩ではない。メディアは、明らかに相撲協会側に立って、相撲協会の言い分を代弁している。

 スポニチのスクープが出たあと、相撲協会はカウンター情報をガンガンリークしている。貴ノ岩が先輩に失礼な態度をとったとか、貴乃花が協会のヒアリングには「わからない」と言ったとかなども、いずれも相撲協会側のリークだった。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。