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加計学園認可を答申した設置審委員が「みんな納得していない」「訴訟で脅された」と告発も、安倍首相は国会から逃亡

 たとえば、委員のひとりは以前から疑義が呈されていた加計学園獣医学部の実習計画について「改善されていないのでは」とし、「(現在全国にある獣医学部)16大学のなかでもっとも教育の内容は低いと思う」と回答。

 さらには、こんな報道まである。NHKは、設置審の議論では委員が「依然として実習体制が十分でない」と指摘したところ、〈取りまとめ役を務めた委員〉がこう述べたと伝えている。

「設置審としてこれ以上認可を先延ばしにすれば、学園側と訴訟を含めたトラブルになる可能性がある」

 実習体制の不備を指摘するという当然の意見に、訴訟の可能性をもち出す……。この発言に対して「訴訟という言葉を聞かされ、何も言えなくなった」と話す委員もいたという。

 設置審は専門的見地から教育内容などを審査する機関であって、訴訟リスクを考慮するような場ではけっしてない。以前から設置審の議論は非公開のため、「文科省が認可へ誘導する可能性はないのか」「委員のなかには官邸や加計学園の息がかかった人物がいるのではないか」と訝る声があがってきたが、その不信感が的中したとしか言いようがないだろう。

 問題点は実習計画だけではない。加計孝太郎理事長は設置審の判断を受けて、こんなコメントを発表した。

〈国際的に通用する人材を養成するために、獣医学科75名、獣医保健看護学科12名という充実した教員組織を備えます〉

 加計理事長はこう胸を張るが、この教員数はとても自慢できるような数字ではない。事実、加計学園獣医学部は定員140人としているが、国内の獣医学部でも最高レベルとされる北海道大学は学生80人に対して教員は100人弱。学生よりも教員数のほうが上回る体制なのだ。北大の稲葉睦教授も「(教員)75人でやろうとしたら寝てられないと思いますよ、先生方」と述べている(10日放送『NEWS23』より)。

 しかも、今年10月の文科省学部等設置認可申請書類から加計学園獣医学部の教員名簿を確認すると、獣医学科の教授はじつに11人が70歳以上。65歳以上が8人もいるのだ。私大教員の定年は一般的に65〜70歳といわれているが、獣医学部の新設後、定年を迎える教員が続出することは間違いない。その上、そうした教員が5〜6年次におこなわれる「卒業論文」の科目を担当としているなど、杜撰さが目立つのだ。

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