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本サイトも追及してきた神社本庁疑惑が明るみに

神社本庁「疑惑の不動産不正取引」を告発した幹部職員が会見! 組織ぐるみの口封じの実態が明らかに

 まさに、組織ぐるみの不正のにおいがぷんぷんしてくるが、そのきな臭さは、稲総合研究部長らが懲戒処分を受けた経緯を聞くと、ますます濃厚になってくる。

 この不動産取引については、2016年の春ごろから、神社界内部でも問題になっていた。不正を糾弾する複数の匿名文書が出回り、そのなかには上層部の関与を疑うものもあったという。そして、評議員会や役員会でもこの問題が取り上げられた。

 稲部長が行動を起こしたのはそのあとだった。全国の神社からの浄財である神社本庁の財産がこのような状況でよいのか、問題提起をする“檄文”を書き、本庁役員2名に渡したのだという。その理由について、稲氏は会見でこう語った。

「昨年5月の評議員会、あるいは役員会で、百合ヶ丘職舎売却に疑惑があるんじゃないかという問題提起がされながら、神社本庁執行部がその隠蔽を図ろうとしているということ。それから百合ヶ丘職舎のディンプル・インターナショナルへの売却は当時の瀬尾財政部長が、いろんな圧力を受けてそういう決定をしたわけなんですけど、疑惑が浮上してくるとその責任を瀬尾財政部長ひとりに負わせようとする動きが明らかなってきたものですから、こうなった以上は役員のみなさんに、言葉ではなかなか理解いただけない内部の状況も含めて、私が文章にしたためて、当時の小串(和夫)副総長と理事ひとりに提出をしたという経緯でございます」

 実は、今回、稲部長とともに懲戒処分を受けた瀬尾教化広報部長は、問題の不動産取引が行われた当時、財政部長で、取引の担当者の一人でもあった。そのため、神社本庁内部では、疑惑が明るみに出ると、瀬尾部長に責任を押し付ける動きが出てきたのだという。しかし、瀬尾部長が職員宿舎のディンプル社への売却を進めたのは、上層部からの圧力によって、取引を強要された結果だった。

 実際、本サイトが以前、取材した神社本庁関係者もこんな証言をしていた。

「匿名文書にも書かれていたことですが、瀬尾さんは、打田さんと主従関係にある複数の幹部職員からディンプル社への売却を急かされるようなことを言われていたようだ。本庁のある中堅職員が彼に『早く売却先を決めろ!(ディンプル社の)高橋社長が怒っているぞ』ということを言って追い詰めたという話もある。しかも、後になってこの中堅職員は『そのように言ったのは、実は打田さんに頼まれたからなんだ』と漏らしていたというのです」

 つまり、稲部長は、当時の担当者である瀬尾部長がトカゲの尻尾切りにされてしまわないよう、役員に真相の解明を求める提案をしたということのようだ。さらに、当の瀬尾部長もこの不正取引に利用されたとの怒りから、圧力について内部で証言を始めていた。稲氏は会見で、不在だった瀬尾氏にかわってこう説明している。

「瀬尾さん自身も、自分が責任を負わされそうになりましたけど、それは違うと。いろんな圧力を当時受けて、随意契約という方針を当時示したんだ、と。ただ、そういう主張がなかなか受け入れてもらえない。なので、それは違うということを部長会等の会議で主張しました」

 その結果、今年3月になって、ようやく神社本庁内部で不動産取引の調査委員会が設置された。委員会は、稲氏から檄文を受け取った小串副総長が中心となったという。

 だが、委員会設置の事実は外部には一切秘密にされ、一方で、稲氏、瀬尾氏には神社本庁上層部からさまざまな嫌がらせが加えられた。

 両者とも、匿名文書とはまったく無関係なのに、犯人扱いされ、稲氏は謹慎処分に。瀬尾氏はディンプル社の高橋社長から脅迫とも取れる言辞を浴びせられたり、神道政治連盟の打田氏、神社本庁の田中総長に呼び出されて、圧力をかけられていたという。

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