神社本庁HP
先の衆院選では、安倍自民党が圧勝。いよいよ憲法改悪が政治日程に上がってくる可能性が高まったが、折も折、その安倍首相とタッグを組んで改憲を推し進めているあの神社本庁の不正を内部告発する会見が開かれた。
本サイトで何度も指摘しているように、神社本庁は、全国約8万社の神社を包括する一方で、日本会議などと連携し、戦前回帰を目的に改憲運動や反フェミニズム運動を展開してきた。系列には神道政治連盟という極右政治団体を擁し、その国会議員部門である神道政治連盟国会議員懇談会では、安倍晋三首相が会長を務めている。
ところが、衆院選投票日直前の10月17日、その神社本庁の稲貴夫・元総合研究部長と瀬尾芳也・元教化広報部長が懲戒処分の無効を求めて、東京地裁に提訴。同日、霞が関の司法記者クラブで稲元総合研究部長が弁護士とともに会見を開いたのだ。総合研究部長といえば、神社神道の研究や神職の研修などを統括する要職。教化広報部長も本庁の広報の要をになう立場だ。いったい何があったのか。
「提訴は決して私の本意ではございません。しかしながら、一日も早く元の職場に戻りたいという思いと、そして現在、こうした形で神社のことが話題になってしまうことは、全国の神社をお守りしている神職の方々をはじめ神社関係者の方々に申し訳ないことではあるのですが、これを契機に神社本庁の正常化、再生のきっかけになってほしいという思いで、今回提訴に踏み切りました」
稲元部長は会見でこう語ったが、問題は稲氏らが懲戒処分を受けた理由だった。稲元部長らは勤務態度に問題があったわけでも、部下や同僚に対してなにか不当な行為を働いたわけでもない。
2人が処分されたのは、本サイトで追及してきた“神社本庁・不動産不正取引疑惑”について、本庁内部で疑義を呈したためだった。その行為が、職員就業規則の懲戒条項に抵触するとして、神社本庁は稲総合研究部長に解雇処分を、瀬尾教化広報部長に降格減給処分を下したのである。