ところが、そんなことはお構いなしの青山センセイは、番組内で「東京都心が核兵器の標的になる」とまで明言。何度も人差し指で足元を指差し「ここが狙われる!」と叫びまくったのである。
「大量破壊兵器の大量破壊っていう意味は、マース・ディストラクションっていうのは、マース・ミディアのマスなんですよ。大衆を殺害すると。戦わざる人々をドロドロに溶かして殺すと。赤ちゃんから高齢者まで。そのためには人口密集地に決まってるんですよ! これは、決まりに決まりに決まってるんですよ! だからここ(東京都心)なんです! しかもここなんですよ! 『虎ノ門ニュース』(のスタジオがある港区虎ノ門)なんです! ジョークじゃないんだ。坂上がったら国会ですよ? 坂上がったら国会の横に総理官邸ですよ、ね? 防衛省の市ケ谷もすぐそこですよね。だからこの界隈なんですよ。ここでいつ(避難)訓練やったんですか!?」
ほとんどパニック状態のような口ぶりだが、ちょっと待ってほしい。週内にも米軍が大規模軍事行動に出て、北朝鮮の報復攻撃によって虎ノ門を爆心地として東京が核の炎に包まれるとか、さすがに青山センセイ、自分でもそんなこと信じてないはずだ。
そう思えてならないのは、ふと、青山センセイのブログを読んでしまったからである。
北朝鮮による核実験後の9月3日20時、青山センセイは「運命の秋」なるタイトルで、〈北朝鮮の核実験は、すでに想定されていました。もちろん問題が小さいという意味ではありませぬ。死への道のりです〉と書き出す投稿をしていたのだが、そんな「文豪」(笑)的な文章の最後は、こんなふうに締められていた。
〈これも前に記したように、サイン会を開きます。情報を簡潔にだけ下掲します。
9月30日土曜16時から、ブックファースト阪急西宮ガーデンズ店・特設会場で開きます。〉
……って、え? こんなときに青山センセイ、「サイン会」の告知ですか!?
念のため確認するが、この人、明日にも戦争がはじまって東京が壊滅するとか、身振り手振りで力説していたのだ。なのに、自分はちゃっかり月末のサイン会のPRをしているって、コレ、いったいどういうことなのだろう。
いや、別に本サイトは、青山センセイがサイン会をすること自体をあれこれ言いたいわけではない。もちろん、このタカ派政治家が公務以外の時間に“ビジネス”に精を出していたとしても、それは勝手にすればいいことだ。
たぶん、青山センセイは、駆けつけた信者もといファンに「明日、戦争が始まるよ」「これまでにない危機だよ」とかなんとか言いながら、ニコニコ顔でサインをするのだろう。あまつさえ、がっしり握手をしたりもするのだろう。ちなみに、このサイン会は青山センセイの新刊発売記念イベントなのだが、扶桑社新書から出たその本のタイトルは『危機にこそぼくらは甦る』。
もはやギャグか何かかとしか思えない。