大川氏は著書『視聴率ゼロ!──弱小テレビ局の帯番組『5時に夢中!』の過激で自由な挑戦』(新潮社)のなかで、番組コンセプトについてこのように書いている。
〈自分の意見を歯に衣着せず「自由に言い合える」番組。「言論の自由」をテーマに掲げています。
なので、放送前の打ち合わせでも、制作サイドがコメンテーターに対して、「これは言わないでくれ」と申し入れることはほとんどありません〉
しかし、この思いは変わってしまったようだ……。実は、同じ本のなかで大川氏はこのようにも書いている。
〈最近は、SNSやメールで一部の熱狂的な皆さんから、「言論の自由をうたうなら、芸能界のタブーにもっと斬り込め!」「社会の巨悪と戦え!」「過激とは名ばかりか!」など、熱いご指摘をいただくこともあります。ご意見としては非常にありがたいのですが……別に、『5時に夢中!』は、表現の自由を勝ち取るために戦っているわけではありません。
第一、夕方からそんな戦いを見せられても楽しくないと思いませんか?
「タブーと戦う」「悪と戦う」みたいな、わかりやすい「過激」ではなく、どの角度からどんな意見が飛び出すか分からない方が、よほど「過激」です。プロデューサーとしては、そんな、多様な意見が飛び出す「過激で自由な空間」を楽しんでもらえると嬉しいです〉
本当ならば責められるべき行いをしたタレントが、大手芸能プロに入っているという理由だけで守られるといった理不尽な報道が横行している芸能メディア。そんななかにあって『5時に夢中!』は数少ない解放区であったはずなのだが、もうその役割を望むことはできないのだろうか……。
(編集部)
最終更新:2017.12.06 04:56