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NHKが森友と財務局の国有地価格交渉をスクープし佐川前理財局長の嘘を明らかに! 財務省でも良識派官僚のリークが?

 これはいったい、どういうことなのか。周知の通り、財務省はこれまで森友学園側との事前交渉は一切なかったと強弁。佐川理財局長も、「先方にあらかじめ不動産鑑定というかその価格について申し上げることはございませんということはずっと答弁してきているところでございます」(5月18日参院財政金融委員会)、「本件の土地の処分につきましては、私ども、不当な働きかけは一切なかったということは答弁させていただいてございます」(3月15日衆院財務金融委員会)などと言い切っている。

 ところが、今回のNHKの“事前協議”に関する報道で、こうした財務省側の主張は崩れてしまった。佐川氏も虚偽答弁を働いたことになる。

 さらにNHKは、原則一括払いの国有地売買契約で、森友学園の場合は異例の10年分割払いになっていたことについても、財務局からの提案だったと報じている。NHKは「売買の経緯を知る関係者によれば」として〈分割払いは去年6月1日に財務局が売買契約書の案に盛り込んで学園側に提案していた〉と報道。これにより、学園側は実質的に月額賃貸料の半額で購入代金の分割月払いが可能になった。

 こちらも、真実ならば森友問題をめぐる国会答弁で政府側が主張していたことが完全に崩れる。つまり、財務局が森友側と売買価格について事前に協議し、「いくらまでなら支払えるか」と聞いていたこと、そして異例中の異例である賃貸切り替えからの10年分割購入を財務局側から提案していたとなれば、そこに籠池氏が「神風」と表現した驚くべき“取り計らい”がなされていたことの証明となるからだ。

 国民の関心はいま、加計学園問題や自衛隊日報隠蔽問題にシフトしてしまったが、こうした核心をつく報道が飛び出た以上、国会でもこの森友問題の本質である国有地売却の経緯について、一から追及をやりなおす必要があるだろう。

 だが、これらのNHKのスクープには、気になる点がもうひとつある。情報の出どころが、いずれも「関係者」や「売買の経緯を知る関係者」となっていることだ。

 NHKの従来の報道姿勢を鑑みれば、かなりの確度がないかぎり、こうした匿名情報源を頼りに報道することはほとんどない。「森友学園へ便宜をはかったことはない」として政権と行政が結託するなか、これを穿つスクープならなおさら、国会で予算を握られているNHKは一層慎重になるものだ。

 かなり有力なネタ元があるとしか考えられない。可能性としては主にふたつ。ひとつは、学園との事前協議に関与した近畿財務局、あるいは報告を受けていた財務省関係者によるリーク。もうひとつは、財務局側を背任容疑で捜査している大阪地検特捜部のリークだ。

 仮に後者の場合、大阪地検が今後の捜査を進めるうえで、有利な状況をつくりだそうとの思惑があると想定できるが、仮に、当事者であり追及される側の財務省・財務局の人間がリーク元であったとしても、実は、これはさほど驚くべきことではない。

 というのも周知の通り、いま安倍政権を揺るがしている加計問題にしても、日報問題にしても、そして森友問題にしても、背景には官僚たちの“安倍一強”支配への反発があるからだ。

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