いずれにしても、青山センセイが昨日の閉会中審査でもち出した質問は、いま、ネトウヨたちがやっていることとまったく同じだ。
加計問題をめぐっては前川氏の登場以降、空気が一変。次から次へと“加計ありき”の証拠が出てきて、国民の不信感はどんどん募るばかりだ。ところが、対する安倍政権や安倍応援団はまともな反論ができず、安倍首相はじめ渦中の人物たちは明らかに嘘とわかる隠蔽発言を繰り返すしかなくなっている。
そこでネトウヨたちは、前回の閉会中審査で加戸氏の発言と前川氏の発言の扱いに差があったことに目をつけ、“偏向報道のせいだ”と話をすり替える作戦に出たのだ。
まあ、ネトウヨのこういうやり口はいつものことなので驚かないが、青山氏はれっきとした国会議員である。それが、「加戸氏をいないことにした」などとネトウヨ以上のデマまでふりまき、メディアを攻撃したのだ。これは、明らかな報道への圧力そのものではないか。
しかし、これはおそらく、青山センセイの独断でなく、安倍政権の作戦でもあるのだろう。そもそも、この閉会中審査の質問時間をめぐって、野党が通常の予算委員会と同じ「2対8」を要求したのに対し、自民党は「5対5にしないかぎり開催は拒否する」などと言って、「3対7」に譲歩させていた。それでいて、結果、自民党が参院での持ち時間72分のすべてを託したのが青山センセイだったことが、安倍政権の今を物語っている。
ようするに、疑惑をごまかしきれないところまで追い詰められた安倍政権は、口では「丁寧に説明」と言いながら、メディアに対して、みさかないなく「偏向だ」「公平でない」などの圧力や恫喝を強めていく作戦に出はじめたのだ。
そういう意味では、前回、大恥を晒しただけだった青山センセイだが、今回はミッションを果たしたと言えるのかもしれない。実際、その報道圧力質問が早速、功を奏したのか、青山センセイはきょう、フジテレビの番組でありながら、加計問題を厳しく追及していたワイドショー『グッディ!』に出演。質問に立った民進党・玉木雄一郎議員の日本獣医師会のからの5年前の献金をあげつらうなど、必死で話のすり替えを行った。
そういう意味では、安倍政権の弱体化がしきりに報道されているが、油断してはならない。これから安倍政権は“最後のあがき”として青山センセイはじめネトウヨ議員たちを使って、なりふりかまわぬデマ攻撃を仕掛けてくる可能性は十分ある。メディアは弱腰を見せることなく一丸となって対抗する必要がある。
(編集部)
最終更新:2017.12.06 04:18