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室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第6回ゲスト 小林節(後編)

小林節が「安倍政権を倒すためには、まず民進党を潰さないと!」と衝撃発言! はたして室井佑月の反応は…

小林 櫻井さんがデタラメばかり言うからです。以前日本青年会議所のパネルディスカッションで一緒になった際、櫻井さんはこんなことを言い出したんです。「憲法は“権利”が19箇所、“自由”が6箇所も出てくるのに“責任”は3つしかない」と。つまり義務と権利のバランスが悪いから日本は個人主義的になってしまった。だから義務を増やすべきだと言うんです。たとえば「国を愛する義務」や「国防の義務」「国旗に敬礼する義務」などを義務化すべきだと。それに対しもちろん反論しました。法律には総論と各論があり、総論はすべての各論に適用される。憲法12条と13条に総論として「公共の福祉」があり、各条が認める権利に制限を加えている。しかし納税、勤労、教育は国家存続に不可欠なので、国の責任として例外的に3つの義務を課しているのだと。数だけで権利と義務のバランスを語るのはナンセンスです。私は彼女にこうも言いました。「憲法というのは、国家権力から国民の権利や命を守るためのものなんだ」と。私たちの国では国民が王様だから、国を支える3つの義務以上を課すと、憲法じゃなくなるんです。

室井 なるほど。国民の権利は最大限に、義務は最低限に、というのが憲法のありようなんですね。櫻井さんは先生の話にどう反応したんですか?

小林 顔を真っ青にして、目も合わせないで、私を無視して帰りましたよ。しかも、その後も櫻井さんは、間違った憲法論をいろんなところで話している。
私の弟子で、安倍さんに愛されて止まない長島昭久(衆議院議員)くんの政治資金パーティーで、櫻井さんが挨拶していたんですが、以前と同じ3つの義務について話しているんです。「みなさん、憲法はおかしいじゃないですか。権利と義務はともなわなきゃいけませんよね」と。僕は、長島くんに恥をかかせちゃいけないと思ったし、そこでは質問も反論もしないでおこうと黙って聞いていた。すると、演説が終わったとたん、彼女、階段も使わずに演壇からポーンと飛び降りて、一番前の真ん中の僕が座っている前まで来て、「先生、お久しぶり! 私、次があるから失礼します」と言って、パっといなくなったんです。僕に何かを言わせる機会を与えず、逃げたんですよ。昨年も『週刊朝日』で僕と櫻井さんの対談企画があったんですけど、前日に編集長の元に電話があって、「小林さんの書いたものを色々と読んだけど、とうていご一緒できませんわ」と断ってきたそうです。

室井 敵前逃亡か。でも、そういう無知で、戦前の日本を復活させたいと思っている人たちが安倍さんの最大のブレーンで、日本会議の改憲運動を担っているわけだから、彼らの改憲が、自衛隊の追加条項や教育の無償化で終わるわけがないですよね。最近、言わなくなっていますけど、直前になると、緊急事態条項を憲法に盛り込むとか言いだしそうな気がしてるんです。

小林 緊急事態条項については、ふざけんな、ですね。緊急事態条項は災害時に政府に大幅な権限を与えて、人権保障を停止するというものですが、その必要がないことは、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本大地震の体験で、はっきりと結論が出ています。消防も不要だと言っていますし、日弁連で報告書も出ています。本末転倒です。震災時に問題なのはまったく逆で、国に権限が集中しているから、中央集権だから、地方も、役人というのは法律と予算の範囲内でしか動けない、ということなんです。いちいち国にお伺いをたてているうちに、どんどん被害が広がっていく。だから、災害対策を本当に真面目に考えるなら、災害対策基本法等を改正して、国の権限を制限して、それぞれの基礎自治体、市区町村に全権を与えることなんです。自治体が首長に全権を集中するスイッチを作っておくことと、国は何かを求められたら人的物的バックアップをする。そうした法律の整備で済むのです。

室井 熊本大地震のときも、余震が怖くて屋外に避難していたのに、現場を知らない政府が、避難者を屋内に退避させろと言って大ひんしゅくを買ったり、県が支援要請しても最初は政府はそれを拒否したり。ちぐはぐで、馬鹿みたいな命令をしていました。緊急時だからこそ、政府という大きなくくりでなく、自治体に権限を集め、国はそれを支援する。それでいいということですよね。

小林 しかも、緊急事態条項は、災害が起きた際に、総理大臣が行政権に加えて、法律を内閣の権限で変えられる、つまり立法権を持つというものです。そうなれば、次には、その法律を執行する裁判所にも影響をするから司法権も持つことになる。それから国会の持っている財政権も持ってしまう。そして一般国民や地方自治体はその命令に従う。まさに独裁体制です。

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