加計闇献金疑惑が持ち上がっている下村博文・元文科相(撮影・横田一)
都議選の歴史的大敗で、自民党都連会長を辞任する意向を表明した下村博文・幹事長代行(元文科大臣)だが、「週刊文春」(文藝春秋)が「加計学園から闇献金200万円」と報じた問題はまだまだ尾を引きそうだ。
発売当日に自民党本部で会見を開いた下村氏は「加計学園の秘書室長が事務所を来訪され、個人および企業あわせて11名から預かってきた合計100万円の現金を持参したので、その11名の領収書を作成し渡した」と弁明したが、このとおりだったとしても、あっせん額が20万円を超えた場合に、あっせん者の氏名や金額などの報告を義務づけている政治資金規正法違反にあたる可能性が高い。
また、先日のリテラ(6月29日掲載)が指摘していたように、「官邸で安倍首相と下村氏が直接、今治市職員に指示し、加計ありきの道筋をつくったのではないか」という疑惑もある。
今治市の出張記録によると、今治市企画課長と課長補佐は2015年4月2日、「獣医師養成系大学の設置に関する協議」のために上京、急遽、官邸訪問が決定して15時から16時半まで打ち合わせをしたが、同じ時間帯の15時35分から安倍首相は下村文科大臣(当時)と面談していたことが首相動静でわかっているからだ。
そこで7月2日、自民党本部での会見で「(加計問題について)今後も丁寧な説明をしたい」と述べた下村氏に対して、次のように聞いてみた。
──ご自身が文部科学大臣時代に官邸で今治市の職員と会ったのではないか。同日に安倍総理と会っていますが、加計について何か働きかけをしたことはないのでしょうか。
下村氏 そもそも会っていません。
──同じ日に今治市の職員が官邸に来ていますが、そのことはご存知なかったのですか。
下村氏 そもそも官邸で会うことはありえないことだと思います。一般論としてもありえませんし、また、そういう事実はまったくありません。(今治市の職員が)官邸に来ていることは知りませんし、お会いしていないことは事実です。
とりつくしまもなく否定した下村氏だが、「週刊文春」は7月5日発売号でも第二弾記事を掲載し、加計学園の国際バカロレア候補校、認定校の選定にからむ疑惑を追及。「文藝春秋」も下村氏と加計の関係を検証する記事を掲載すると言われている。これから、両者の関係を決定づける疑惑がさらに出てくるかもしれない。