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前川前次官が「官邸から内閣府の天下り隠蔽を指示された」と証言! 文科省だけ天下り摘発は加計問題抵抗官僚への報復

「週刊朝日」(朝日新聞出版)6月23日号より


「総理のご意向」文書を“本物”と証言して以降も、さまざまなメディアで数多くの証言を続ける前川喜平・前文科事務次官だが、さらなる衝撃的証言が飛び出した。それは、前川氏が事務次官を辞任するきっかけとなった「文科省天下り」に関する“官邸の隠蔽工作”だ。

 文科省の天下り、再就職あっせんは、今年1月にNHKの報道で明らかになったのだが、実は前年から、内閣府の再就職等監視委員会が調査しており、この調査によって事務次官だった前川氏が引責辞任しただけでなく、歴代の事務次官8人を含む43人が処分された。つまり、政権が率先して不正を明らかにした非常に珍しいケースだった。

 だがこの天下り問題について、前川氏は今週発売の「週刊朝日」(朝日新聞出版)6月23日号で、驚くべき証言を行っているのだ。それは昨年12月当時、文科省がまさにその内閣府再就職等監視委員会による厳しい調査を受けていたときのことだったという。

〈監視委は文科省職員のメールを片っ端から提出させていたが、その中に外務省と内閣府OBが問題に関わっていたことを示すメールがあった〉

 文科省の天下り問題に外務省、そして監視するはずの内閣府関係者が関与していたというのだ。しかし問題はそこからだ。他省庁OBに関するメールも含め、すべてを監視委に提出せざるを得ないと、その意向を関係省庁に伝えていたが、昨年12月28日夜、官邸の杉田和博官房副長官から急な呼び出しを受けたという。その要件は驚くべきものだった。

〈杉田氏は、私が監視委に出す前にこのメールの存在について杉田氏への報告がなかったことに怒っており、その場で「とにかく外務省と内閣府に関わるメールは出すな」と言われました。つまり、再就職等規制違反問題は文科省内だけに限定して、他省庁に及ぶ証拠は出すなということです。そこからズルズルと他の役所にも被害が及んだら困る、というわけです〉

 杉田官房副長官といえば、前川氏が在任中の昨年秋の時点で“出会い系バー通い”を厳重注意した人物であり、警察庁警備局長を務め“公安のドン”とも称される元エリート公安警察官僚だ。さらに現在は官邸の危機管理担当を担い、出身母体の公安警察の秘密部隊を動かし、政敵や官邸に従わない官僚を徹底調査しているといわれる。そんな“官邸のゲシュタポ”に、前川氏は他省庁の天下りの証拠隠蔽を命じられていたのだ。

 文科省天下りが発覚した当時、“再就職あっせんはどの省庁もやっており、この程度で規制委が調査に入るなら霞ヶ関全体にまで波及するのではないか”と指摘されていたが、結局、文科省以外の天下り問題は一切表に出てこなかった。

 表に出てこないのは当然で、文科省追及の裏で、官邸は他省庁の天下りを握り潰していたというわけだ。

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