官邸が踏むべきステップも踏まず思いのままに押し切ろうとするなかで、“表と裏を使い分けるだろう”と前川氏は言うのだ。「だったら直接おれに言えばいいじゃん」というような幼稚な攻撃しかできない安倍首相と比べて、官僚という立場、官邸との力関係、現実をみすえたこの知性的で正直な切り返しはどうだろう。
実は、前川氏については、メディアに登場すればするほど、「あんなに誠実で知性的な人とは思わなかった」「出会い系バーがどうあれ、主張していることはすごくまっとうだ」という評価がどんどん高まっている。また、週刊誌が買春行為を否定し、「週刊文春」では出会い系バーで前川氏と知り合ったという女性が「前川さんに救われた」と語ったことや、身分を隠してボランティアに参加していたという数々の証言が出てきたことで、ネット上では「前川氏は『遠山の金さん』みたい」「前川さんのファンになった」という声まで上がるようになっている。
この『報ステ』でのインタビューについても、多くの人が「胸に響いた」「絶対見るべき」と感想をつぶやき、GLAYのボーカル・TERUも〈僕はその受け答えに、前川さんの人となりを見た。もし、前川さんの話が真っ赤な嘘だったら、僕は騙されやすい人なのだろうと思った。でも、誠実な人って肌で感じる〉と反応したほどだった。
しかも、前川氏が評価できるのは、いまなお出会い系バー通い問題で攻撃を受けているにもかかわらず、御用メディアのフジテレビにも出演して、堂々と自分の考えを示していることだ。
一方、応援団のフェイクジャーナリストがやっている御用メディアを選んで、幼稚で一方的な個人攻撃に勤しむことしかできない安倍首相。対照的な両者を見比べていると、本サイトとしてはやはり、前川氏を評価するというより、こんな品性のない総理大臣がやりたい放題やっているこの国の状況に絶望的な気持ちになってしまうのである。
(編集部)
最終更新:2017.12.04 03:48