こうした極右議員で脇を固める安倍首相の人事を、当時、海外メディアは批判的に紹介。なかでも稲田氏の防衛相起用は、「戦中日本の残虐行為否定論者が防衛トップに」(英タイムズ紙)、「日本の首相は経済回復を誓いながらも、新たな内閣にタカ派防衛相を迎える」(英ロイター通信)などと報道。とくに米AP通信は、「稲田氏の悪名高い反韓団体とのつながりについて、今年、裁判所は稲田氏の主張を退けて事実と認めた。また2014年には、稲田氏が2011年にネオナチ団体トップとのツーショット写真を納めていたと見られることも表沙汰となった」と、当初からヘイト勢力との関わりを問題視していた。
ちなみに森友学園問題についても、国内では国有地払い下げ問題ばかりがクローズアップされているが、学園の愛国ヘイト教育や、そのような教育をする森友と安倍政権との蜜月関係のほうこそが問題視されている。
そして、問題の核心は、このように国内外から大臣としての資質を疑われる稲田氏を重用し続ける安倍首相にあるだろう。だが、安倍首相は、自身も在特会の関西支部長(当時)とのツーショット写真が問題となったことがある上、現在も自民党ネットサポーターズクラブをはじめとするヘイトスピーチを厭わない人間たちが安倍政権の応援組織として下支えしている。そうしたことを考えれば、稲田氏の問題をはじめ、大臣とヘイト勢力との関係など“取るに足らない問題”という認識なのは当然の話なのだ。
在特会との蜜月を最高裁にまで認定されてしまった「レイシストネトウヨ内閣」。トランプやルペンを笑えない、あまりに恐ろしい現実だが、それこそがいままさに国の政治を司っている彼らの正体であることを忘れてはいけない。
(編集部)
最終更新:2017.12.04 03:46