ただし、官邸は最初から読売に記事を書かせようと思っていたわけではないらしい。官邸は朝日報道の直後に、前川氏に実名証言される可能性があることを想定し、週刊誌にこの「出会い系バー通い」をリークしていたらしいのだ。
「官邸は、19日の段階でまず、『週刊文春』『週刊新潮』のどちらかにこの情報を流し、取材させていたようです。今回は内調(内閣情報調査室)でなく、同じ公安出身の杉田和博内閣官房副長官が中心になって、そのパイプで仕掛けたんじゃないかと言われていますね。実際、官邸は一昨日の段階で、親しい新聞記者にも、援助交際の事実が週刊誌に出るだの、相手が未成年の可能性もあるだのといった情報をしきりに流していたようです」(週刊誌関係者)
ところが、前川氏は「週刊文春」「週刊新潮」の発売よりももっと早く、実名証言に向けて動き始めていた。
「すでにフジテレビのインタビューを受け、『NEWS23』(TBS)や『報道ステーション』(テレビ朝日)への出演も決まっていた。それで焦った官邸が、フジには圧力をかけて放映をつぶす一方、読売にあんな前代未聞の記事を書かせたらしい。読売が女性スキャンダルを書きたてたら、テレビ局は『これは何かある』とインタビューに起用しづらくなりますからね。官邸としてはそれで十分なんです。実際、インタビューの動きは完全に止まりましたし、官邸の思惑通りの展開になったということでしょう」
おそらく今週の後半になると、「週刊文春」「週刊新潮」のどちらか(あるいは両方)が大々的に前川前事務次官の「出会い系バー」スキャンダルを書きたて、ワイドショーは加計学園問題を一切無視して、「ハレンチ文科官僚」などと大バッシングを繰り広げるのだろう。まさに、謀略国家ニッポンというほかはない。
(編集部)
最終更新:2017.12.04 03:14