しかし残念ながら、この渾身のインタビューもまったくマスコミには届かなかった。何しろ、独占インタビューした当の『グッディ』がVTRを放映した後、高樹に対するさらなるバッシングを展開したのだ。
まず、MCの安藤優子は「改めて繰り返しますと、有罪判決で執行猶予中の身。これから時間をかけて自分が犯した罪を償っていくという立場にある」「にもかかわらず、医療用大麻の正当性について信念は曲げない」と高樹を責め立てた。
そして、大麻使用の「きっかけは快楽」と勝手に決めつけ、不快感をあらわにしている。同じく司会の高橋克実も、「それが医療に役立つのはいいことだと思うが、それを検証するのに、医療関係じゃなく、自分で検証しちゃうのは間違えているんじゃないか、方法が全然違うんじゃないか」と発言。さらに高樹が石垣島移住の理由を「環境問題を訴えている自分が芸能界でおいしい思いをしていることに疑問を抱き、収入を絶った状態で、自分がどれだけチャレンジできるのか」と語ったことについて、こんな批判を展開したのだ。
「自分だけおいしい仕事をしていて、と。そういう風にテレビの仕事を思っていたんだなと垣間見れてショックでした。バブルの頃、連ドラとかやられてて、僕もご一緒したことがあるが、別においしい仕事とは思ったことないし。そういうことがベースにあるから、腑に落ちた。意識的に軽いのかな、取り組み方がすべてに」
さらに悪質だったのは、その翌日、高樹のインタビューを取り上げた同じフジテレビの『バイキング』だろう。
MCの坂上忍は、高樹が、同居人で大麻所持で逮捕された森山繁成被告と男女関係を認めたことをことさら強調し、「なんで今更(認めるの)?」と責めると、コメンテーターの東国原英夫は「けしからんと思いますね。実刑にすべきだったと思いますね。嘘をついているわけです、公判で。これを公判で言っていたら実刑ですわ」とまくし立て、いきり立つように罵る始末。
医療用大麻解禁を訴え、逮捕された後でもその信念を曲げず訴える高樹に対し、突き放し、冷笑するだけでなく、“犯罪を犯して有罪になったのに何を言うか!”“高樹は反省も謝罪もしていない”という非難の嵐を浴びせ続けた。