こういった「売名」叩きを助長したのが、「FRIDAY」の記事だった。1月13日発売の「FRIDAY」(講談社)17年1月27日号には、過去に撮影された葵のヘアヌードが掲載されたのだが、その表紙に「松潤の相手 葵つかさ「衝撃ヌード」」というキャッチコピーが飾られていたのだ。これを受けて、「早速商売にしたな」「やっぱり売名行為じゃないか」との批判が殺到したのだ。
この件の真相は、写真を掲載するにあたり彼女の所属事務所であるエイトマン側から提示された「事務所として出して欲しくない文字は記載しない」、「事務所が事前にチェックし、意に反している場合は訂正する」という条件を「FRIDAY」編集部が一方的に反故にしたもので、誌面の内容を知った事務所が訂正をお願いしても編集部は〈「もう印刷してしまったので」の一点張りで〉対応しなかったという。
この件に関しては「FRIDAY」編集部が全面的に非を認め、〈今回、意図的ではありませんが、編集部内の連絡ミスでその言葉を使ってしまい、結果的に事務所の約束を違えることになってしまいました〉と謝罪の声明を出している。編集部のミスが本当に意図的ではなかったのか真相は藪の中だが、こういった記事が表に出てしまったことが、結果的にさらなるバッシングを呼んでしまったのは間違いない。
それにしてもなぜ、葵を「性奴隷」のように扱った松本が売名に利用された被害者扱いで、逆に、松本によるキチク行為でヤリ捨てられた本当の意味の被害者でもある葵が責め立てられるという理不尽な事態が起こるのか。
その大きな要因のひとつが、ジャニーズ事務所に怯え真実を報じない芸能マスコミだ。「沈黙」という態度でジャニーズ事務所側にマスコミが加担したことにより、葵は二次被害ともいえる炎上騒動に巻き込まれることになったのだ。
周知の通り、ジャニーズ事務所のタレントがからんだスキャンダルをメディアがいっさい触れない状況が続いている。たとえば昨年だけでも、Hey! Say! JUMP中島裕翔の泥酔痴漢事件、V6岡田准一と宮崎あおいの略奪不倫同棲、Hey! Say! JUMP伊野尾慧の女子アナ二股交際、同じくHey! Say! JUMPの複数メンバーに持ち上がった乱交パーティ疑惑……数々のジャニーズスキャンダルが週刊誌で報じられたが、テレビやスポーツ紙は一切後追いすることなく、すべてを葬り去ってしまった。とくに、中島裕翔の件に関しては被害届こそ出されなかったものの痴漢という立派な犯罪行為で、ジャニーズ事務所もその事実を認めているにも関わらず、何のお咎めもなく、主演したドラマ『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ)は何事もなかったかのように放送された。
バーニング系列やジャニーズ事務所のタレントはどれだけ不祥事を起こしても見過ごされ、そうでない人々はたとえ被害者であっても叩かれる。こんな理不尽な状況はいったいいつまで続くのか。
(編集部)
最終更新:2017.12.01 02:01