●安倍政権で夫人付職員が1名から5名に増える異常
前出の東京新聞によると、総理夫人を支援する職員の配置がはじめて行われたのは、第一次安倍政権時。その後の福田内閣は不在で、続く麻生〜野田内閣までは1名が配置された。しかも野田内閣までは非常駐で、〈首相が外国を訪問する際に夫人が同行したり、外国要人を接遇したりする活動を助けることが主な目的だった〉という。しかし、第二次安倍内閣が発足すると、職員は3名に増員、2014年からはさらに2名増やして計5名となり、挙げ句、うち2名を常勤としたのだ。
政府はその理由を「業務増大のため」などと言うが、その業務とやらは実際のところ、学校の事務局運営や田植えやスキーへの同行だったのである。
昭恵夫人が居酒屋を経営したり、はたまた農場だのゲストハウスだの学校を開いたりすることは、言ってしまえば、たんなる“自己実現”だ。そんな極私的活動の事務作業や田植えなどの雑務を夫人付職員に押し付けていた。無論、昭恵夫人が「私人」などではなく総理大臣の妻という「公人」であるから夫人付という職員が派遣されているわけだが、その職員を自分の自己実現・自己表現のための私的活動で酷使するとは、これを昭恵夫人の“お嬢様気質”として見過ごすことは、もはやできまい。
国家公務員の給料は税金によって賄われている。そして、国家公務員は“国民全員の奉仕者”であることが求められる。そうした基本を総理夫人としてよくよく理解しているのなら、自分の召使いのごとく職員を私的活動に巻き込むような行動は絶対にしない。裏を返せば、昭恵夫人は安倍首相と同化して、国を自分のもののように勘違いしているのだ。
現在、昭恵夫人は発信を自粛させられているようだが、言いたいことがあるのなら、「家庭内野党」を標榜する昭恵氏は夫の圧力も撥ねつけて表に出てきてはっきり言えばいい。国民は昭恵夫人の説明を待っている。
(編集部)
最終更新:2017.04.14 11:56