国民からの疑惑の目が日増しに強くなるなか、一刻もはやく説明責任を果たすことが求められている。
●森友問題の渦中、イベントに登場した昭恵夫人を直撃したら…
「アッキ―ド事件」とも呼ばれる学校法人森友学園問題の疑惑の中心人物・安倍昭恵夫人が8日、説明責任を果たさないまま、国際女性デー関連のイベント会場から立ち去った。渋谷で開かれた「HAPPY WOMAN FESTA 2017」に歌手の倉木麻衣らと共に出席した昭恵氏は、自ら経営する居酒屋「UZU」やファーストレディのやりがいについては熱っぽく語ったが、森友学園関連の発言は一切なし。「(報道されるのは)何かあった時だけ」「いい形で放送していただけると助かります」とメディアへの愚痴と注文を口にはしたが、記者との質疑応答時間はなかったため、終了直前、「HAPPY WOMAN」と銘打ったオレンジ色の横断幕を手にしたゲストの撮影時間に質問をぶつけた。
――安倍総理に口利きしたのですか。森友の要望を(安倍総理に)伝えませんでしたか。
昭恵夫人「…………(無言のまま、カメラマンに笑顔を浮かべ続ける)」
――(東日本大震災の)被災地に行くと、「夫(安倍首相)に伝える」とよく言っているじゃないですか、防潮堤見直しについて。
昭恵夫人「…………」
――国民に説明をしないのですか。
昭恵夫人「…………」
――一言、お願いします。これだけの国民の関心事なのですから。森友(問題)についてどう思いますか。
昭恵夫人「…………」
結局、昭恵夫人は一言も答えることなく楽屋裏に引き上げていった。
3月2日に自由党の山本太郎議員が「アッキ―ド事件」という言葉で森友学園問題を追及すると、安倍晋三首相は「この問題の核心とは関係なく、名誉を傷づけるために委員会の場を活用」と不快感を示したが、昭恵夫人こそ問題の核心だ。
ロッキード事件では、米国航空機メーカー「ロッキード社」から5億円のワイロを受け取った田中角栄首相(当時)が同社の機種購入の働きかけをしたとして逮捕された。
これに対しアッキ―ド事件では、「(1)名誉校長に就任(後に辞任)し講演もした昭恵夫人が森友学園の要望を安倍首相に伝えたのではないか、(2)ファーストレディ経由の陳情を聞いた首相が国有地格安払下げを働きかけたのではないか」と疑われている。