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安倍政権が福島原発の被害矮小化のために「DASH村を復興拠点に」計画! 日テレPも困惑の政治利用

 だいたい、現実に目を向ければ、“社会基盤の整備や除染が進んだ”という理由から17年度の予算案で復興特別会計は前年よりも約5600億円も減少。他方、「特定復興拠点」にしても、除染費用は東京電力の負担とする原則を反故し国費が投入される。

 そして、もっとも忘れてはいけないのが、今年3月、避難区域外から自主避難した人々に対しておこなわれてきた住宅の無償提供が打ち切られることだ。除染費用を負担すべき「加害企業」は守るのに、保障すべき避難者は切り捨てるのだ。

 避難指示解除にしても、帰りたい人もいれば、いまの状態ではまだ帰ることができないという人だっている。生活を奪う大事故を起こしたのだから、国と東電はどんな事情にも対応するのが当然だが、これでは「国策に従わず帰らない人は自己責任」という風潮が高まることも十分考えられる。

 それでなくても、国は福島の健康被害に対する対策を完全に無視している状況にある。既報の通り、今年9月に公表された「福島県民調査報告書」によると、福島県の小児甲状腺がん及び疑いの子どもたちが前回より2人増えて合計174人と膨大な人数となっているが、政府や有識者会議、電力会社は「被曝の影響は考えにくい」などと非科学的態度、抗弁を続け、さらには現在、福島では子どもたちの甲状腺検査を縮小しようという異常な事態が進んでいる。

 しかも、甲状腺がんの問題に対しては、御用学者の詭弁を鵜呑みにし「原発反対派のデマだ」「福島いじめにつながる」などとしてバッシングする者も多い。しかし、福島にかんするマイナスな情報は復興を阻害するという考え方では、どんどんと不都合な情報は隠蔽され、本来検討されるべき安全や環境は守られない。

 DASH村の問題も同じだ。DASH村が復興のシンボルとしてそこに祈念館がつくられ、多くの人が「帰宅困難地域も復興が進んでいる」と安心するその一方で、避難指示が解除されても「帰れない」と判断した人々の保障が切り捨てられていては、それは復興などと呼べない。たんに政府が五輪を控えて復興を強調するためのものとしてDASH村復興計画が打ち出されたのだとしたら、これは「DASH村の政治利用」と言うべきだろう。
(編集部)

最終更新:2017.11.15 06:09

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