だが、さらに踏み込んだのが宮木氏だった。宮木氏は解散騒動で、SMAPと嵐のファンの間で対立ができたと、ディープなファンならではの話をした後、いきなり「普段友達と話していることをここで吐き出させてもらってもいいですか?」と、こんなことを語り出した。
「あのインタビュー自体は悪いものではなかった。でも文春なら、あそこを入り口にして、ジャニーズ事務所のいろんな瑕を炙り出せたんじゃないかと。だって、普通の企業に置き換えて考えたら、副社長が自社の目玉商品のダメな点を週刊誌にわざわざ言いませんよね?」
「もし株式公開していたら総会で糾弾されるでしょうし。どうしてそういうところに突っ込まなかったのか」
「芸能界がいくら特殊な場所だとしても、もし、文春があのあと継続してしつこく追及していたら、事務所内部での意識改革的なものがあったかもしれないし、中の人が目をつぶっていたことや見えていなかったことに気づいて、SMAPにも違う未来があったかもしれない。いままで文春は、世間の悪を暴いてきたのに、今回はただ聞いたこと、見たことを書いただけじゃないですか」
宮木氏のいう「あのインタビュー」とはもちろん、2015年1月に「文春」に掲載されたメリー氏のインタビューのこと。メリー氏はSMAPを「踊れない」と罵倒したうえ、飯島氏を呼びつけて、記者の面前で「飯島、私はこう言いますよ。SMAPを連れていっても今日から出て行ってもらう。あなたは辞めなさい」とパワハラ。これがきっかけで飯島氏が追い詰められ、SMAPもまた独立に動かざるを得なくなった。
宮木氏はこのメリー氏の言動に対して“株式公開していたら総会で糾弾されるような愚挙”であると、真っ当すぎる批判を口にし、さらに“「文春」がきちんとジャニーズの体質を追及していたら、SMAP解散はなかった”と、文春批判にまで踏み込んだのだ。
文春批判については“八つ当たりじゃないか”と思う人もいるかもしれないが、これもある意味、本質を突いた指摘だ。たしかに「文春」のメリー氏インタビューは、「編集者が選ぶジャーナリズム大賞」を受賞するくらい中身の濃いものだったが、しかし、文春はそのパワハラや、事務所の体質を批判してはいない。それどころか、インタビュー以降、文春はジャニーズ事務所とパイプをもつようになり、SMAP騒動ではむしろ、メリー・ジュリー派よりのスタンスをとるようになった。