『長渕剛 民衆の怒りと祈りの歌』(河出書房新社)
昨晩の『2016FNS歌謡祭 第1夜』(フジテレビ)での長渕剛のパフォーマンスが大きな話題となっている。本サイトは「FNS歌謡祭出演なんかよりすごい!」として、長渕剛が作家の柳美里と共作した福島・南相馬の高校の校歌を紹介したが、FNS歌謡祭のほうもすごかった。
番組の最後、トリとして登場した長渕。同番組への出演は今回が初めてで、予め告知されていたのは、この歌謡祭用にアレンジされたスペシャルバージョンの『乾杯』を披露するということだった。
カラフルなジャケット姿に、ギターを持ってひとりで暗いステージに立った長渕は、のっけから鬼気迫る雰囲気を漂わせていた。画面右上には「初出演!魂の叫び」とのテロップ。ギターをかき鳴らし始めた長渕が歌ったのは、文字通り魂の叫びだった。
『乾杯』本編を始めるまえ3分半以上にわたって、ギターをかき鳴らし時折「はあ!」と叫びながら、オリジナルのメッセージを歌い上げた。
その内容は強烈なもので、冒頭いきなり、こう歌い出す。
アメリカの大統領が誰になろうとも
凶と出るか吉と出るかって
そりゃ俺達次第じゃねぇか
今日もマスメディアの誰かが
無責任な話ばかりしている
これは、アメリカ大統領の顔色をうかがってばかりの日本のメディアに対する痛烈な批判だ。さらに、長渕は「歌の安売りするのも止めろー!」と、ミュージシャンたちに檄を飛ばした後、被災地を置き去りにしてオリンピックに浮かれるこの国にこう問いかける。
俺達の東北、仙台、俺達の九州、熊本
そして福島も頑張ってんだ
オリンピックもいいけどよぉ
若者の貧困 地域の過疎化どうする?
そして、サビ。
騙されねぇぜマスコミ
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