しかも、深刻なのは、『委員会』と似たような番組が関西では増えている、ということだろう。現に、東野幸治が司会を務める『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(朝日放送)でも、昨年10月24日の放送で、『沖縄の不都合な真実』(新潮社)の著者のひとりである篠原章氏が「(基地反対派は)おそらく3分の2は本土から来た方ですね」「仕事です。日当も出てますんで」「日当は労働組合から出ています」などと発言。この放送に対しては、奈良―沖縄連帯委員会代表が「事実をねじ曲げたばかりか意図的に捏造し、差別に満ちたヘイトスピーチそのものだ」として放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に申し立てが行われたが、この番組の内容が『委員会』の影響を受けていることはあきらかだろう。
ちなみに、松井知事が明日出演する『委員会』はすでに10月中旬に収録されており、「土人」発言問題は何事もなかったかのようにスルーされる公算が強いが、今後、松井知事を全面擁護する企画が進んでいる、との話もある。
過去の記事でも指摘したが、機動隊員による「土人」発言は、安倍政権が民主主義や基本的人権さえ奪って圧制しようとしている沖縄への態度から生まれているものである。そして、権力の暴走をこういった番組が強化しているのだ。その罪の重さも、今回の事件であらためて指摘しておきたい。
(編集部)
最終更新:2017.11.24 07:41