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松井知事「土人」発言擁護と同根!『そこまで言って委員会』など大阪のテレビの聞くに堪えない沖縄ヘイト

 この恵氏は以前、本サイトでも取り上げたように“デマの常習犯”であり、先の沖縄県知事選では“翁長氏の娘は北京大学に留学”“その娘の婿は中国太子党出身”などとメディアで語っていた。だが、翁長知事本人が述べているように、当時、翁長氏の娘は「埼玉の小さな大学」におり、しかも未婚だった。こんな根も葉もないデマを平気で流す人物が、このように反対運動を貶め、陰謀論にすり替えてきたのだ。

 さらに、2014年12月7日放送分では、この恵氏にくわえて「(沖縄県民は)ゆすりの名人」という暴言が問題となった元米国務省日本部長のケヴィン・メア氏が登場。メア氏はこの発言と同時に「沖縄県民は怠惰であり、他県以上にゴーヤーを栽培できない」と語ったとされているように、沖縄への差別を丸出しにした人物だが、番組中も相変わらず“沖縄ゆすり論”を展開。また、司会の辛坊治郎が「こないだ私、別の番組でね、翁長さんにご出演いただいて、私は普通に話しているつもりだったんだけど、いきなり怒り出されて『なんだその上から目線は!』って。俺、そんなつもりはないんだけど(笑)」という話をはじめると、恵氏が「(それは)沖縄県民特有の被害者意識」と言い、スタジオは爆笑に包まれた。番組は“沖縄は被害者意識が強く、政府をゆすってばかり”と印象付けだけでなく、「このままでは沖縄は中国の属国になる!」と煽って進行していった。

 それだけではない。昨年7月5日の放送では、沖縄戦を振り返り、番組パネラーの竹田恒泰氏が「(戦死者が出たのは)沖縄だけじゃないんですよ」「東京では10万人死にましたけど『捨て石になった』とか『東京差別だ』とか誰も言わないわけですよね」と批判。本土決戦の準備のために時間稼ぎに沖縄が利用されたことや、軍が住民たちを守るどころか戦闘に巻き込んだという歴史的事実をまったく無視して、ここでも“沖縄県民は被害者意識が強い”と主張したのだ。

 沖縄への偏見を助長するかのような内容と根拠のない情報をメディアが一方的に垂れ流す。──同番組の議論は、「売国奴」「中国の手先」などという中傷で基地建設に抵抗する人びとを蹂躙するネット右翼たちと何も変わらない。むしろ、ネット右翼を支えるデマの発信源になっているとしか思えない内容だ。

 しかし、重ねて問題なのは、このような公平中立もへったくれもない番組が、東京を除くほとんどの地域で放送されていることだ。同番組は沖縄問題に限らず、反中嫌韓の感情を煽ってきた番組でもあり、たとえば竹田氏は「在特会が活動したおかげで在日の特権の問題が明らかになった」「例えば、通名というのがあって、日本人の名前に変えることによって、犯罪歴や金融関係の経歴を全部消すことができ、また新たな犯罪ができる」などとデマを述べ、後日、番組側は謝罪している。

 こうした問題を引き起こしてきたことから、同番組は蔑視や差別に基づいたデマを公共の電波に平気で乗せ、ヘイトスピーチを繰り返すネット右翼の“製造”に一役買ってきた、と言われている。だが、今回の大阪府警の機動隊員が沖縄の人びとにぶつけた「土人」という暴言や、差別を肯定した挙げ句に問題の責任を基地反対派に押し付けた松井知事の沖縄蔑視としか言いようがない態度、そしてそれを擁護するネット上の意見を見ていると、この番組は同様に“沖縄ヘイト”にも加担してきたと思わざるを得ないのだ。

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