「週刊文春」でもメリー氏に軟禁恫喝されたのは、前述の5時間インタビューのときだけではなかった。元記者の中村竜太郎氏が月刊「文藝春秋」16年3月号でこう明かしている。
「筆者もこの出来事(「ジャニーズ女帝怒りの独白5時間」)の五年前、週刊誌に書いた記事に関してメリー氏に呼び出された。飯島氏と同じ場所で五時間以上取り調べのように詰問され、「殴るぞ!」と恫喝され、決裂して帰ろうとすると「帰るな!」と怒鳴りつけられた。同じ席には、ジャニーズ事務所の弁護士が同席していた。彼らを従え、記事に激しく反論するメリー氏。筆者としては理不尽としか思えない主張の繰り返しだったが、この凄みがジャニーズ事務所を芸能界のトップに押し上げた原動力かと、痛感したのだった。」
新谷編集長も当然、部下たちからそのやり方については聞いていたはずで、メリー氏が眼前に姿を現した時はさぞ恐怖だったのではないかと思われる。だが、新谷編集長、このメリー氏の“無間地獄”から意外な脱出の仕方をしていた。くだんの大根監督との対談でメリー氏にどう対処したかを少しだけ話している。
「『とにかく2時間で終わらせてください』とていねいにお願いしたら、最後に『私、2時間で終わったことないのよ、普通は5時間だから!』と言い残して帰られました。でも、ちゃんと2時間でまとめてくれて『さすがはプロだな』と思いました」
ド直球ではあるが、メリー氏相手にここまでストレートにお願いができるというのも、百戦錬磨の「週刊文春」編集長ならではだろう。このしたたかでイケイケの姿勢があれば、まだしばらくは“文春砲”の勢いが続きそうだ。ってちょっと褒めすぎ?
(本田コッペ)
最終更新:2017.11.24 07:18